中東諸国に吹き荒れてきたジャスミン革命の嵐がついにイスラエルにも波及したか?こんな風に思わせる事態がイスラエルで起きた。九月三日、ネタニアフ政府に抗議する大規模なデモが、首都テル・アビブやエルサレムなどいくつかの都市で、45万人の民衆を巻き込んで行われたのだ。
このデモを組織したのはイスラエルの学生団体「全学連」、若者への住宅の確保と社会福祉の充実を主な要求に掲げ、今のところ政府の打倒などは叫んでいない。しかしデモに参加した人の中には、安全保障優先で民生を後回しにしている現政権の体質を厳しく批判するものもいる。
政府を批判する運動は6月頃から始まっていた。広場にテント村を作り、そこを拠点にして政府批判の運動を展開するというパターンで、フェイスブックを通じて同士を募ったところ、次第に規模を拡大してきた。8月6日には、30万人が参加する一大デモに発展したが、ガザ地区を舞台にした戦闘の事態が発生し、ここ2週間ばかりは活動を自粛していた経緯がある。
全学連議長のイチク・シュミリ(Itzik Shmuli)氏は、「我々若い世代はイスラエルのために命をささげるつもりだ、だからイスラエルは我々のために生きる糧を保障すべきだ」と。
これに対してネタニアフ首相は、住宅5万戸の建設を約束するなど、安全保障と並んで社会福祉の充実につとめると答えて、事態の沈静化を図っているようだ。(写真はNYTから)
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