アフリカ大陸の諸国が長い沈滞を脱却して力強い興隆の兆しを見せ始めている、アフリカ諸国の経済成長はいまや東アジアと並び、今後の世界経済のけん引力になろうとする勢いだ。まさに勃興といってよい。だが手放しでよろこんではいられない。経済成長の影では、政府関係者による汚職や腐敗が蔓延している。そんなアフリカの近年の様子を、ENOMISTの最新号が報告している。Africa rising After decades of slow growth, Africa has a real chance to follow in the footsteps of Asia
過去8年間におけるアフリカ全体の成長率は東アジアよりも高かった。2011年の成長率は6パーセント、2012年も6パーセントと見込まれている。こうしたことの結果過去10年間でもっとも大きな成長率を記録した国10か国のうち6つがアフリカだった。
成長の原動力は豊富な天然資源と労働力だ。アフリカの出産率は非常に高い。これに衛生状態の改善が加わって、アフリカは働きざかりの人口が爆発的に増加している。これらの人口は労働力を供給するのみならず、巨大な消費財市場を形成する。アフリカでもいわゆる中産階級が形を表しはじめ、世界銀行によれば、年収3000ドル以上が6000万人にのぼり、2015年には1億人を突破するだろうと予測される。
もっともその陰では、いまだ1日2ドル以下で暮らす人々も膨大な数にのぼり、平均寿命は50歳以下だという現実もある。成長の果実が平等に行き渡っていないという批判もある。しかし全体的に見ればアフリカの実力がかさ上げされてきているのは事実だ。
アフリカの発展には中国が大きな役割を果たしたとみられている。中国による直接投資には中国なりの打算があったが、それがインフラの整備を促したことはいなめない。ブラジル、トルコ、マレーシア、インドといった国々もアフリカへの投資に熱心だ。
たしかに今アフリカ諸国が最も必要としているのは、直接援助ではなく、インフラをはじめとする生産部門への投資だろう。
また、アフリカは十把一絡げにはみられない面ももっている。地中海沿岸の北アフリカ諸国とサハラ以南の諸国では歴史も文化も異なる。またソマリアや南スーダンのように深刻な国内対立で国力が疲弊している国もある。そうした相違を内包しながら、アフリカ全体としてどのように発展をしていくか、それが今後の大きな課題だろう。
いずれにしてもアフリカは、新しいイメージを目指して急速に変化しつつある。(写真もECONOMISTから)
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