エジプトの芸術家たちは、ムバラク政権下の時代にあっても、あまりハッピーとはいえなかったが、ムバラクが去ってイスラム原理主義者たちが影響力をもつようになると、もっとアンハッピーになるのではないか。Newsweek 最新号に、そんな懸念を表明する小文が載った。Egypt's Artists Fear Censorship by Islamists By Ty McCormick
ペン描画に水彩を重ねて独自な世界を描き出しているウェアーム・エル・マスリ(WeaamEl-Masry)さんは、ユニークな女性アーチストで、テーマはセックスに絡んだものが多い。
ムバラク時代にも、過剰なセックス描写は厳しい批判にさらされたが、表現自体ができなくなるほど弾圧されたことはなかった。しかし、今後議会政治の中でイスラム兄弟団やサラフィスなどのイスラム原理主義の力が強まるにつれ、芸術表現は大幅に制限されるのではないか、マスリさんはそんな危惧を抱いているという。
サラフィスは、最近1988年にノーベル賞を受賞した作家ナギブ・マーフォウズ(Maguib Mahfouz)の小説が卑猥でかつ無神論的であるという理由で弾劾した。イスラム兄弟団のほうはそこまで強硬ではないが、これまでにも性的な描写への検閲や音楽会場で女性歌手が歌うことを厳しく禁止するように主張してきた。
彼等が権力を握るようになれば、こうした極端な芸術弾圧が本格化するのではないか、マスリさんはそう恐れているというのだ。(映像はマスリさんの作品:Newsweek から)
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