ゲリラ豪雨日本列島を襲う

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今年の夏も、前半は昨年に増して暑さが厳しかったが、後半は雨模様の日が続き、しかもすさまじい勢いの集中豪雨が日本各地を断続的に襲った。気象庁によれば、ゲリラ豪雨と称される集中豪雨は、全国39箇所において過去最高の雨量を記録したそうだ。静岡県の富士市では一時間当たり113ミリの雨量だったというが、これがどれほどすさまじいものか、経験した人でなければわからないだろう。

東京でも、豊島区の雑司が谷で過日集中豪雨があった。このため下水坑があふれ、中で工事をしていた作業員5名が激流に飲まれて死ぬ事故があった。遺体は下水管渠を通って神田川に流されていったようだ。そのうちの一人が翌日和泉橋のあたりで浮かび上がったのを、筆者も目撃した。

雑司が谷の集中豪雨はわずか2平方キロの範囲で起こったことであり、持続時間は2時間ほどだった。神出鬼没というべき現象であり、ゲリラ豪雨と称される所以だ。その発生のメカニズムをNHKが解説していたが、集中豪雨の典型的なパターンであったらしい。

まず東から冷えた大気がこの地域に流れ込んで、上空に積乱雲を発生させた。それにあわせて南から湿気に富んだ暖かい大気が流れ込んできた。するとその湿った大気は上昇気流となって、積乱雲に大量の水分を供給し、瞬く間に豪雨をもたらしたというのだ。

日本各地で発生しているゲリラ豪雨も、雑司が谷の場合と同様のメカニズムにもとづいて起きているようだ。

専門家によれば、今年は偏西風のジェット気流が異常な蛇行を見せ、日本列島の上空を通るケースが多いという。これが日本各地に積乱雲を発生させる。ところが夏の日本列島はヒートアイランド現象によって熱くなっているから、そこに低気圧が通りがかると、湿った空気が上昇気流となって積乱雲を肥大させる。巨大な水分の塊ができるのだ。

この積乱雲がゲリラ豪雨の源となり、日本各地で猛威を振るっているわけである。

というわけで、年々厳しさを増す暑さといい、異常な集中豪雨といい、地球温暖化がもたらした現象である。人間はこのことを真剣に受け止めないと、地球をますます住みづらいものにしていくだろう。


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    このページは、が2008年9月 1日 18:14に書いたブログ記事です。

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