アマリリス:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)

アマリリスは、5月から6月にかけて、まっすぐに延びた茎の先に、ユリに似たラッパ状の花を二つないし四つ咲かせる。名前からしてあでやかさを感じさせる。ヴェルギリウスの詩に出てくる乙女の名前からつけられたのだそうだ。花言葉には、誇り、内気などがあてられるが、それは乙女の気質を表わしていたのだろうか。
彼岸花の仲間で、日本に自生しているものもある。春ソメイヨシノが散る頃に球根を植えると、一月ほどで花を咲かせる。球根にはこぶしほどの大きさのものもある。咲き終わったものを、茎の根本で切り取り、葉を残して育てると、球根が太ってしかもチューリップのように分球する。それを翌年の春に植えれば、また開花を楽しむことができる。
6枚の花弁からなる花びらは、赤やピンクなどの暖かい色合いのものが多い。中央部からおしべがいくつも伸びて、その先に花粉をつける。ユリのおしべとよく似ている。
この絵は、硝子の器に無造作に活けたアマリリスを描いたものだ。硝子の透明感と、水の質感を表現するのに心がけた。
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