パソコンのリカバリーを初めてやってみた。リカバリーというのは、パソコンがウィルスに感染するなどして、まともに動かなくなった事態を前に、パソコンにインストールされているプログラムや情報をすべて消去して、OSのソフトを再入力し、買ったときの状態に引き戻すことを言う。こうすることで、機能していない機械に、もう一度活躍の機会を与えるという意味がある。
筆者の場合には、パソコンの不都合は、インターネット上のサイトにまともにアクセスできないという形をとった。ブラウザ自体はきちんと機能しており、筆者の用いているポータルサイトの画面は表示されているのに、そこからのリンクがことごとく表示されない。例の「IEではこの画面は表示できません」というメッセージが出てくるばかりだった。
そこで筆者はさまざまな努力をして、この不都合の原因が何か突き止めようとしたが、どうやってもわからない。ヒントもつかめない状態が二三日続いたので、ついに自力復旧をあきらめ、パソコンを初期化した上で、初めからやり直そうと思ったのだ。
リカバリーをする上で最も大事なことはデータのバックアップだ。これを怠ると今までの蓄積が水泡に帰す。だがリカバリーの結果消滅するデータはCドライブのものに限られているので、ここから保存すべきデータをDドライブに移しておけばよい。
こうした準備を行ったうえで、筆者は恐る恐るリカバリーの手続きをした。その結果は思いのほか順調だった。筆者のパソコンはまさに買ったときと同じ状態に戻ったのだ。これならわざわざ新しいものに買い換えないでも済む。筆者が手がけているホームページやブログも引き続きさしつかえなく運営することができる。
ただ買ったときと同じ状態に戻るということは、パソコンの中身が一世代前の状態に戻るということだ。だからこの数年の間に筆者がパソコンをアップデートにしてきた努力はことごとく飛散する。その中の多くはもう一度やり直せば復活するが、それには相応の労力が必要だ。
リカバリーの結果もっとも問題になるのは、ウィルス対策ソフトの状態だ。買ったときの状態に戻ることは、それ以降のアップデート分がなくなることを意味し、それを再びパソコンにインストールしなければ、パソコンはセキュリティ上大きなハンデを抱えることになる。
でもこの悩みもそんなに深刻ではないようだ。ウィルスソフト会社はこうした事態を見込んで、コンパクトな再インストールのウィザードを用意してくれているようだ。
ともあれいったん初期化したパソコンを、最近までの状態まで復帰させるためには、いささかの労力を要する。だからリカバリーを考えている人は、リカバリーと買い替えとを比較して、どちらが自分に適しているか、よく考えてから実施したほうがよい。
関連リンク: 日々雑感