杜甫の七言絶句「詠懐其五」(壺齋散人注)
諸葛大名垂宇宙 諸葛の大名宇宙に垂れ
宗臣遺像肅清高 宗臣の遺像肅として清高
三分割據紆籌策 三分割據籌策を紆(めぐ)らせ
萬古雲霄一羽毛 萬古雲霄一羽毛
伯仲之間見伊呂 伯仲之間に伊呂を見る
指揮若定失蕭曹 指揮若し定まらば蕭曹を失せん
福移漢祚難恢復 福移りて漢祚恢復し難し
志決身殲軍務勞 志決するも身は殲ぶ軍務の勞に
諸葛孔明の名は宇宙に垂れ、宗臣の遺像は肅として清高だ、三分割據の策を弄して、その姿は雲霄に鳳凰の羽を見るが如く崇高だ
伯仲の間に伊呂を見るようなその大志は、もし成功したならば蕭曹にも勝ったことだろう、だが運が移って天下を回復することはならず、志は高いながら身は軍務の労のために滅びてしまった
諸葛廟によって孔明の偉大さを回顧した歌。
関連サイト: 杜甫:漢詩の注釈と解説
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