宇宙空間には極小ブラックホールというものがあって、しかも毎日のように地球を貫通しているのだそうだ。だが大質量のブラックホールのように、周囲の物質を飲み込むことはなく、したがって人体が危険にさらされることもないという。
この物質の存在を指摘した研究者アーロン・ヴァン・デヴェンダー(Aaron VanDevender)氏によれば、乗用車1000台分ほどの質量が原子よりも小さな場につまっている。規模が小さいので原子を飲み込むことはないが、そのかわりに重力にひきつけられた原子がこのブラックホールの周りを回っている可能性はある。氏はそのような物質モデルを「Gravitational Equivalents of an Atom(GEA)」(原子の重力等価物質)と名づけた。
普通のブラックホールは大質量の星が超新星爆発した後に作られるが、極小ブラックホールは、宇宙誕生直後に極めて高密度な物質が宇宙空間へ拡散し冷却する過程で作られた可能性が高いという。
「原始物質は初期宇宙全体へ不均等に分散したため、高密度と低密度の領域ができた。密度の違いによって、宇宙初期の一部の高密度領域でブラックホールが偶然形成された」とヴァン・デベンダー氏は話す。
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