アメリカ主導のNATOによるミサイル防衛システムにメドヴェージェフみずから強力な拒絶反応を示したにかかわらず、アメリカからは大した反応が返ってこない、というより殆ど無視されているのに近い状態だ。これはいったいどうしたことか、もしかしたらアメリカはロシア人を舐めているのではないか、こんな不満をプラウダが示している。
プラウダは、NATOのミサイル防衛システムがロシアをターゲットにしたものではなく、ヨーロッパ外(主としてイラン)からの攻撃を想定したものだとするNATO事務局長ラスムッセンの見解を紹介する一方、これが容易にロシアや中国に対するミサイル迎撃システムに転用できる可能性についても示唆した。
メドヴェージェフが対抗措置としてイスカンデルの配置をほのめかしたことについては、アメリカはこれを馬鹿げた脅しとして受け止めていると紹介。アメリカはイスカンデルを使い物にならないポンコツシステムとして評価しており、そんなものには何の痛痒も感じていない。
一方、STARTからの脱退をメドヴェージェフが示唆したことについても、アメリカ側は冷静に受け止めていると伝えている。
アメリカはそれによって何も失わないし、ロシアもそれによってアメリカに打撃を与えられる可能性があるわけでもない。要するに、かつてのABM交渉の時代とは異なって、ロシアは今やアメリカにとって脅威ではなくなってきている、そのことをメドヴェージェフは理解していない、むしろメドヴェージェフが懸念すべきなのは、穴だらけになっている自国の防衛システムの方だ。
西側はこう分析して、ロシアからの攻勢を深刻には受け取っていないのだと、プラウダは残念そうに結論する。
要するに西側はロシアを対等のパートナーとは見ていないのではないか。そんな中でもアメリカはロシア人をインディアン並みに軽く扱っているのではないか、こんな怨嗟にも似た反応が、プラウダの記事からは伝わってくる。(写真はPravda.ruから)
(参考)USA treats Russians as Indians whose interests can be ignored(Pravda.ru)
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