ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「てんとう虫(La Coccinelle)」(壺齋散人訳)
バガテルのバラの花に
てんとう虫がひそんでました
プロヴァンスのバラの中で
120まで数を数えました
モガドールのバラの中で
テルミドールを生き抜きました
ジェリコーのバラの露に
おぼれないように気をつけました
ピカルディーのバラの花は
てんとう虫の天国です
背中にある七つの点は
神様お気に入りの模様です
バガテル以下フランスの各地にはバラの花が咲いています。その花を、てんとう虫がつぎつぎと訪れます。
なかでもピカルディーは、てんとう虫にとって天国ともいえるバラの花が咲いています。
テルミドールはフランス革命直後に用いられたいわゆる革命歴の11月をあらわします。今の7-8月をさしています。
La Coccinelle
Robert DESNOS Recueil : "Chantefables"
Dans une rose à Bagatelle
Naquit un jour la coccinelle.
Dans une rose de Provins
Elle compta jusqu'à cent-vingt.
Dans une rose à Mogador
Elle a vécu en thermidor.
Dans une rose à Jéricho
Elle évita le sirocco.
Dans une rose en Picardie
Elle a trouvé son paradis :
Coccinelle à sept points,
Bête à bon Dieu, bête à bon point.
関連サイト:フランス文学と詩の世界 >ロベール・デスノス
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