ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「ガマガエル(Le Crapaud)」(壺齋散人訳)
マルヌ川の岸辺に
一匹のガマガエルがいて
アカシアの木の下で
熱い涙を流していました
―どうして泣いているの?
わけを話して ガマさん
―それはわたしの姿が
とっても醜いからなの
セーヌ川の岸辺に
一匹のガマガエルがいて
調子はずれの声で
歌を歌っていました
―どうして歌っているの?
わけを話して がまさん
―それは私の姿が
とっても素敵だから
マルヌ川はセーヌ川の支流です
どちらにも人魚が住んでいます
セーヌ川はフランスの北部を流れる川で、そのほとりにパリの街ができました。マルヌ川はセーヌ川の支流で、パリの街を流れています。かつては運河として船も通っていましたが、いまはガマガエルが住み着いています。人魚も住んでいるそうです。
Le Crapaud
Robert DESNOS Recueil : "Chantefables"
Sur les bords de la Marne
Un crapaud il y a
Qui pleure à chaudes larmes
Sous un acacia.
-- Dis-moi pourquoi tu pleures
Mon joli crapaud ?
-- C'est que j'ai le malheur
De n'être pas beau.
Sur les bords de la Seine
Un crapaud il y a
Qui chante à perdre haleine
Dans son charabia.
-- Dis-moi pourquoi tu chantes
Mon vilain crapaud ?
-- Je chante à voix plaisante,
Car je suis très beau,
Des bords de la Marne aux bords de la Seine
Avec les sirènes.
関連サイト:フランス文学と詩の世界 >ロベール・デスノス
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