強くて、やさしくて、かっこいい。これは卓球選手の福原愛さんが女子レスリングの吉田佐保里さんを評して言った言葉だ。平野、石川の両選手とともに出演したNHKの番組のなかで飛び出してきた。筆者はそれを聞いて、すがすがしい気分になった。
吉田佐保里選手が強いことはいうまでもない。何しろオリンピック三連覇という偉業をやってのけたのだ。しかし彼女は強いばかりではない。周囲に気をくばり、場合によってはやさしく包んであげるような面も持っているのだそうだ。その優しさで、福原愛さんも何度勇気づけられたかわからないという。
しかも吉田選手はかっこよくもある。かっこいいは必ずしも強いことと両立するわけではない。強くてもカッコ悪い人間はいくらでもいる。吉田選手は強くてしかもかっこいいのだ。そのかっこよさに、福原愛さんも憧れているのだろう。
今回吉田佐保里選手は、日本選手団を代表して旗手を務めた。その時に風にひらめいていた日の丸が、優勝を決めたマットの上でもはためいていた。その旗を掲げて走り回る吉田選手が、筆者の目にも、とてもカッコよく見えた。