あなたのキスが怖い I Fear Thy Kisses :シェリー
パーシー・B・シェリーの詩「あなたのキスがこわい」 I Fear Thy Kisses を読む。(壺齋散人訳)
パーシー・B・シェリーの詩「あなたのキスがこわい」 I Fear Thy Kisses を読む。(壺齋散人訳)
パーシー・シェリーの詩「プロセルピナの歌」Song of Proserpine を読む。(壺齋散人訳)
パーシー・シェリーの詩「アポロの讃歌」 Hymn of Apollo を読む。(壺齋散人訳)
パーシー・シェリーの詩「月」 The Moon を読む。(壺齋散人訳)
パーシー・シェリーの詩「おやすみ」 Good-Night を読む。Good-Night (壺齋散人訳)
1821年2月、ジョン・キーツがローマで客死したことを知ったシェリーは大いに嘆き、その年の春、キーツの死を悼む長大な挽歌を書いた。「アドネイス」である。「解き放たれたプロメテウス」と並んでシェリーの最高傑作に数えられる。イギリス文学史上もっとも優れた挽歌とされる作品でもある。
パーシー・シェリーの詩「嘆きの歌」 A Lament を読む。(壺齋散人訳)
汚された言葉 One Word is Too Often Profaned (パーシー・シェリーの詩:壺齋散人訳)
あまりに汚されてしまったために
もはや汚しようのない言葉がある
あまりにも侮られているために
これ以上侮りえない言葉がある
希望は絶望と紙一重だから
そには制御しえないものがある
でもあなたからの愛は
何にもまして尊いもの
ランプが砕けると When the Lamp is Shattered (パーシー・シェリーの詩:壺齋散人訳)
ランプが砕けると
明かりは塵にまみれて消える
雲が飛び散ると
虹はきれいな形を失う
リュートが毀れると
美しい音色は戻らない
愛が言葉でいわれると
中身はすぐに忘れ去られる
愛の歌 Music, when soft voices die :パーシー・シェリー(壺齋散人訳)
音楽は、やさしい音が消えた後も
思い出の中に震えている
匂いは、スミレの花が萎れた後も
感覚の中に生きている
葉は、バラがしなびてしまった後も
愛する人のベッドを飾る
思いは、あなたが死んでしまった後も
愛の余韻となってただよう
ひとりぼっちの小鳥 A widow bird sate mourning for her Love:パーシー・シェリー(壺齋散人訳)
ひとりぼっちの小鳥が冬の枝の上で
夫をなくした嘆きを歌った
木の上には冷たい風が忍び寄り
木の下では小川が凍る
裸の木には一枚の葉もなく
地上には一輪の花もない
あたりはひっそりと静まりかえり
聞こえてくるのは水車の音だけ
ジョン・キーツ John Keats(1795-1821) は、パーシー・ビッシュ・シェリーと並んで、イギリス・ロマンティシズムの盛期を飾る詩人であり、その後のイギリスの詩に及ぼした影響は非常に大きなものがある。年上の友人でもあったシェリーと先輩格のリー・ハントが、ともにリベラリズムの信念から政治的な傾向を見せたのに対し、キーツは自然や人間の美を大事にし、美を歌うことこそが詩人の使命だと考えていた。こうした彼の態度が、作品に透明な輝きをもたらし、珠玉のように美しい詩を生み出させたのである。
ジョン・キーツのソネット「チャップマンのホメロスを一読して」 On First Looking Into Chapman's Homer を読む。(壺齋散人訳)
いくたびか私は黄金の領域を旅し
あまたの良き国や王国を訪ねたことか
吟遊詩人がアポロのために治めている
多くの西海の島々にも滞在した
ジョン・キーツの詩「キリギリスとコオロギ」 On The Grasshopper And Cricketを読む。(壺齋散人訳)
地面の詩人は決して死なない
鳥たちが灼熱の太陽に消え入り
涼しい木陰に隠れるときにも その声は
牧場のあたりを 垣根から垣根へと鳴り渡る
エンディミオン Endymion はギリシャ神話に現れるうら若き牧童である。余りにも美しいので、月の女神セレネに愛された。セレネはエンディミオンが人間として寿命があることを悲しみ、ゼウスに永遠の生を与えてくれるように願った。ゼウスはその願いをかなえてやったが、それは永遠の眠りにつく姿としてであった。
ジョン・キーツの詩「12月のわびしい夜」 In drear-nighted December を読む。(壺齋散人訳)
12月のわびしい夜でも
幸せそうでいられる木は
盛りの頃の枝振りを
覚えているわけではないけれど
ぴゅーぴゅーと吹き渡る
北風に裸にされることもなく
凍てつくような寒さでさえも
芽生えを妨げることは出来ぬ
ジョン・キーツの詩「デヴォンのお嬢さん」 Where be ye going, you Devon maid? を読む。(壺齋散人訳)
どこへ行くの デヴォンのお嬢さん?
あなたのバスケットに入ってるのは何?
ぷちっと可愛く 牧場からやってきたあなた
わたしにクリームを少しわけておくれ
ジョン・キーツの詩「愛していますとあなたはいう」 You say you love を読む。(壺齋散人訳)
愛していますとあなたはいう
尼僧のようにか細い声で
尼僧は鐘の音に合わせて
夕べの祈りを歌っている
真実の愛をわたしにおくれ!
ジョン・キーツの詩「美しいけれど無慈悲な乙女」 La Belle Dame Sans Merciを読む。(壺齋散人訳)
いかがなされた 鎧の騎士
ひとり青ざめ さまよわれるとは?
湖畔の草はことごとく枯れ
鳥の声もせぬというのに
1819年は、ジョン・キーツにとって実り多き年であった。エンディミオンを通じて自分の詩風を確立したキーツは、その才能の限りを注ぎ込み、Great Odes と呼ばれる一連の美しい詩を作り出した。「ナイチンゲールに寄す」は、そのトップランナーとも称すべき作品である。