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詩人の魂




墓碑銘 ÉPITAPHE :トリスタン・コルビエール

墓碑銘 ÉPITAPHE :トリスタン・コルビエール詩集「黄色の愛」から(壺齋散人訳)

  熱狂から命を絶った あるいは怠惰で死んだ
  生き続けるとしても忘却のうち 以下はその生前の姿 

  唯一の悔恨は自分自身の主人になれなかったことだ

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女の友へ A une Camarade :トリスタン・コルビエール

トリスタン・コルビエールの詩集「黄色い愛」から「女の友へ」 A une Camarade(壺齋散人訳)

  この俺に何を求めるのだ? 可愛い女よ
  俺ときてはお前が何より愛しいのだ!
  ―愛かしら? ―見つかるかどうか探してごらん!
  お前が俺を愛するなら 俺だってお前を愛してやる

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2008年10月23日

ガマガエル Le Crapaud :トリスタン・コルビエール

ガマガエル Le Crapaud (トリスタン・コルビエール:壺齋散人訳)

  歌声が風のない夜に響く
  ―銀色の板のような月
  黒ずんだ緑の葉っぱがなびく

  歌声がこだまのように生き生きと
  草薮から聞こえてくる
  ―静まったぞ やあそこだ闇の中だ

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夜のソンネ Sonnet de Nuit :トリスタン・コルビエール

夜のソンネ Sonnet de Nuit (トリスタン・コルビエール:壺齋散人訳)

  けだるそうな十字窓が
  俺の度重なる死に硬直している
  ダイアを嵌め込んだ硝子には
  俺の引っかき傷の跡がある

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2008年10月30日

奪回 Rescousse :トリスタン・コルビエール

奪回 Rescousse (トリスタン・コルビエール:壺齋散人訳)

  もしも俺のギターが
  音締めの甲斐なく
  いやな音を立て
  インドの匕首

  拷問の吊り鉤
  首吊り台
  びっくり箱のようで
  よろしくないなら

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時報 Heures :トリスタン・コルビエール

トリスタン・コルビエールの詩「時報 」Heures (壺齋散人訳)

  泥棒に追い銭
  人殺しに目くばせ
  剣客には手合わせ
  ―どうも俺の心は普通じゃない

  俺はパンプローナの気違いだ
  俺はお月様の哄笑が怖い
  黒いパンくずを抱えたゴキブリめ
  恐ろしや みな燭台の下でうごめいてるぞ

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2008年11月 7日

忌まわしい眺め Paysage Mauvais:トリスタン・コルビエール

トリスタン・コルビエールの詩「忌まわしい眺め」 Paysage Mauvais(壺齋散人訳)

  干からびた骨の砂 -波が弔いの鐘のような音をたて
  ひとつまたひとつとざわめき寄せる
  ―どんよりとした沼地には
  月が虫を飲み込んで 夜が更ける

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2008年11月 8日

最期 La Fin:トリスタン・コルビエール

トリスタン・コルビエールの詩「最期」 La Fin(壺齋散人訳)

  まさしくこれらの船乗りども 水夫も船長も
  大海に永遠に飲み込まれるべく
  遠い航路へと呑気に船出したところが
  みな死んでしまったのだ 船出の姿そのままに

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2008年11月13日

ロンデル Rondel:トリスタン・コルビエール

トリスタン・コルビエールの詩「ロンデル」 Rondel(壺齋散人訳)

  真っ暗だぞ 光泥棒!
  もう夜は来ない 昼も来ない
  あいつらが来るのを待ちながら 眠れ
  あいつらはいう 「いつか!」 そして 「いつも!」と

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死のジョーク Petit Mort Pour Rire:トリスタン・コルビエール

トリスタン・コルビエールの詩「死のジョーク」 Petit Mort Pour Rire(壺齋散人訳)

  軽やかに流れる帚星は髪の毛も梳かしてくれる!
  風にそよぐ葉っぱが梳かしてほしいとさ
  お前の見開いた目からは火花が散る
  それは馬鹿な頭に閉じ込められてた妖精なのさ

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2009年1月 7日

競走馬 Un Cheval de race:ボードレール「パリの憂鬱」

ボードレールの散文詩集「パリの憂鬱」から「競走馬」Un Cheval de race(壺齋散人訳)

  彼女は美しくはない、だが優雅なのだ。

  時間と愛とが、人に爪跡を刻み、ひと時の流れ、接吻の一つひとつが若さと瑞々しさを奪っていくことを、残酷にも彼女に教えてくれた。

  彼女は醜い。アリのようであり、クモのようであり、そういいたければ骸骨そのものといってよい。しかしまた同時に、媚薬であり、権威であり、魔法でもある。要するに彼女は素晴らしいのだ。

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2009年1月28日

日曜日はきらい Je hais les dimanches:シャンソンの世界

エディット・ピアフ Edith Piafのシャンソン「日曜日はきらい」Je hais les dimanches:壺齋散人による歌詞の翻訳

  週のうちのどの日も
  うつろで空っぽだわ
  でも最もいやなのは
  日曜日なのよ
  バラ色めかして
  気前よく遊び
  幸せそのもののようだけど
  その振りをしてるだけ

  日曜日はきらい
  日曜日はきらいなの

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2009年1月29日

十字架 Les Croix:シャンソンの世界

エディット・ピアフのシャンソン「十字架」Les Croix:壺齋散人による歌詞の翻訳

  神様 この世には沢山の十字架があるのですね
  木や鉄の十字架
  なつかしい十字架
  胸元を飾ってる
  小さな銀の十字架
  廃墟の中に捨てられた
  修道女の古い十字架

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2009年2月 6日

パダム パダム Padam Padam:シャンソンの世界

エディット・ピアフの歌「パダム パダム」Padam Padam:壺齋散人による歌詞の翻訳

  いつもわたしにつきまとっている
  この気配はずっと前からのことだわ
  わたしの行くところには必ずいて
  シンフォニーのように鳴り響くの
  ある日わたしは狂いそうになって
  何故なのって何度もいったわ
  でもその気配はわたしをさえぎり
  わたしより先を歩いては
  わたしの言葉を圧倒するのよ

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水に流すわ Non, Je ne regrette rien:シャンソンの世界

エディット・ピアフの歌「水に流すわ」Non, Je ne regrette rien:壺齋散人による歌詞の翻訳

  いいえ いいのよ
  後悔なんかしてない
  いろんな ことが あったけど
  水に流すわ
  いいえ いいのよ
  後悔なんかしてない
  すべて水に流して
  気にしないわ

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2009年2月20日

思い人 Mon Homme:シャンソンの世界

ミスタンゲット Mistinguettの歌「思い人」Mon Homme:壺齋散人による歌詞の日本語訳

  この世に ひとつだけの よろこびは
  思い人
  愛も 心も もてるものを 捧げるの
  思い人に
  真夜中に
  夢見るのも ただひとつ
  思い人のこと
  男前でも 金持ちでもないけど
  愛してるの
  ばかげてるでしょ
  でもいいのよ
  だれがどう思おうと
  こころから
  愛してるの

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サ・セ・パリ Ça, c'est Paris:シャンソンの世界

ミスタンゲット Mistinguett の歌「サ・セ・パリ」Ça, c'est Paris:壺齋散人による歌詞の日本語訳

  パリは ブロンド娘
  世界を 魅了する
  鼻を つんとさせて
  目には 笑みを浮かべ
  訪れる 人は誰でも
  魅力に うっとりとする
  いったん 去った後でも
  かならず 舞い戻るの

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2009年2月26日

ほんとよ C'est vrai:シャンソンの世界

ミスタンゲットの歌「ほんとよ」C'est vrai:壺齋散人による歌詞の日本語訳

  やっとパリに たどり着いたわ
  ロンドンと トリーノと
  オーストリアを旅し
  ウィーンから 舞い戻って きたの
  だってパリに いないわけには
  いかないもの
  パリは いつでも 最高だわ

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わたしはパリ生まれ Oui, je suis de Paris:シャンソンの世界

ミスタンゲットの歌「わたしはパリ生まれ」Oui, je suis de Paris:壺齋散人による歌詞の日本語訳

  わたしを
  見る人はみんな こういうの
  とてもおしゃまで かわいいねって
  うれしいわ
  そのとおりよ
  わたしは
  おしゃべりするのも だいすきよ
  街中の男たちともお友達
  たのしいわ
  空騒ぎしても
  礼儀正しいの
  わたしの
  生まれは
  (パリ)
  そのとおり

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2009年3月 6日

人の気も知らないで Tu Ne Sais Pas Aimer:シャンソンの世界

ダミア Damia の歌「人の気も知らないで」Tu Ne Sais Pas Aimer(壺齋散人による歌詞の翻訳)

  あなたはそんな振りしてるけど
  心からは思っていない
  だからどんなに微笑まれても
  わたしはいいたくなるのよ

  人の気も知らないで
  両手を差し伸べる
  あなたの眼の奥に愛を探しても
  見つかるのはうつろな瞳だけ

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