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世界情勢を読む



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2008年2月20日

黒死病再来の恐怖:ペスト流行のきざし

ペストは人類の歴史上もっとも猛威をふるった疫病である。14世紀のヨーロッパでは数回にわたって大流行し、全人口の3分の1が死亡した。そのすさまじさのほどがわかるだろう。ひとびとはこの病気を恐怖して黒死病と呼んだ。それは黒い悪魔が運んできた病気とか、または患者が全身黒くなりながら死んでいったということに基づいている。

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2008年3月 1日

プーチンとメドヴェージェフ:ロシア大統領選挙

明日(3月2日)行われるロシア大統領選挙では、プーチンが後継に指名したメドヴェージェフの圧勝が当然視されている。ジャーナリストたちの関心は、大統領就任後のメドヴェージェフがいつまでもプーチンの傀儡でいるのか、それとも、かつてのプーチンがそうであったように、比較的早く庇護者から自立し、独立の道を歩むようになるか、この点に注がれている。

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2008年3月11日

政治勢力化するアジアの仏教

アジア諸国で仏教の社会的な影響力が急速に拡大しているそうだ。仏教徒の数の増加についていうと、中国では信仰の自由が一定程度保障されるようになった結果、いまや1億人に達するという。インドでは、仏教発祥の地にかかわらず、2001年にはわずか800万人に過ぎなかったものが、一気に3500万人に増えた。台湾も同じ時期に、550万人から800万人に増加するといった具合だ。

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2008年3月22日

ドイツでも拡大する経済格差

今世紀に入って以来、日本は格差社会の様相をますます強めてきているが、この経済格差の拡大は、ひとり日本にとどまらず、先進資本主義社会共通の現象となっているようだ。アメリカはその典型で、持てるものと持たざるものとの格差が今日ほど広がった時代はないといわれる。ドイツのような、かつては日本同様活力に満ち、国民の機会均等が実現していた国でも、格差の拡大が深刻化してきている。

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2008年4月 2日

アメリカの金融不安:ベアー・スターンズの崩壊

サブプライムローン問題に端を発したアメリカの金融不安は、すでに9ヶ月にもなるというのになかなか治まる気配を見せないばかりか、まずます不透明な様相を深めている。ドル安はその象徴だ。また先日は全米第五位の規模をもつ大手投資銀行ベアー・スターンズが事実上倒産し、JPモルガンによって二束三文で買収された。

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2008年4月 3日

チベットの暴動:中国政府が恐れるダライ・ラマの影

3月4日にチベットのラサで発生した暴動騒ぎは、初期の映像が外国人記者によって世界中に発信されたため、俄然注目を浴びた。チベットでは最近中国政府への不満が高まっていると、かねてより報じられていたので、この暴動はその現われかと、世界中の耳目をそばだたせたというわけである。暴動はチベットの内部にとどまらず、四川や甘粛など周辺部のチベット人居住地区にも飛び火したようだ。

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2008年4月15日

中国の若者気質:保守主義と熱狂的愛国心

オリンピックの聖火リレーが始まった。この機会を利用して中国のチベット弾圧に抗議する人々が、イギリス、フランスの両国で聖火リレーに対するパフォーマンスを行い、アメリカでは混乱を恐れた当局が聖火リレーそのものを人目につかないやり方で実施するなど、異常な事態が起きている。中国政府はこれに対して、妨害を取り締まるよう関係国に強硬に申し入れているが、自国民に対しては、リレーは厳粛に行われたなどと、事実をそのままには知らせていない。

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2008年5月 4日

世界で最も影響力を行使する百人、今年のトップはダライ・ラマ

米誌タイムは電子版で、世界中で今年最も影響力を行使するであろうと予想される人物100人について特集記事を発表した。同誌が最近毎年特集しているもので、今回で5回目になる。それによると、今年の影響度ナンバーワンはチベットの精神的・政治的指導者ダライ・ラマだということだ。

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2008年5月 5日

双面の女神インドに誕生す


インド北部ニューデリー近くのサイニという村で、双面の女の子が生まれたそうだ。ラリと名付けられたこの子は、頭部に二つの顔が並んでついており、頬っぺたのところを境界線にして、左右に二つずつの目、一づつの鼻と口がそれぞれ対称をなしてついている。医学的には Craniofacial Duplication (頭蓋顔面複写)というのだそうだが、発生の確率は非常にまれで、近年の報告例はほとんどない。

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2008年8月 1日

ジェーン・メイヤー Jane Mayer アメリカの狂気と恥辱を暴く

雑誌「ニューヨーカー」を舞台に活躍するジャーナリスト、ジェーン・メイヤーJane Mayerの最新の著作 “The Dark Side : The Inside Story of How the War on Terror turned into a War on American Ideals” が大きな関心を呼んでいる。アメリカの対テロ戦争で生じた異常な人権侵害を解明した著作だ。

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2008年8月 2日

米下院アフリカ系市民に公式謝罪

アメリカ下院議会が、アフリカ系市民に対して公式に謝罪する決議を採択した。「アフリカ系市民及び彼らの祖先に対して、奴隷制やジム・クロウ法を通じてなされた数々の不当な仕打ちについて、国民を代表して謝罪する。」というものである。

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2008年8月 5日

ソルジェニーツィン死す

旧ソ連の反体制作家として知られるアレクサンドル・ソルジェニーツインが死んだ。89歳だった。「イヴァン・デニーソヴィッチの一日」、「ガン病棟」、「収容所群島」などの作品は、旧ソ連共産主義体制に潜む非人間性を暴いたものだが、同時に人間の普遍的な感情を描き出したものとして、世界の文学史上において特別の位置を占めるに値する。

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2008年8月11日

再燃するグルジア紛争

グルジアで紛争が再燃している。南オセチアの分離独立運動に対してグルジア軍が介入し、首都のツヒンヴァリを中心に武力衝突が勃発しているのだ。この衝突に、コーカサスのコサックたちが多数加わり、南オセチア側にたって戦闘を繰り広げているようだ。

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2008年8月12日

インフレーションのグローバル化

ガソリン価格の上昇と食料品の相次ぐ値上げが、日本の消費者を直撃している。ガソリンはともかく、食料品まで値上げラッシュに見舞われている事態は、不気味なものを感じさせる。こうした値上げが、他の消費財にも広がるようようだと、広範なインフレの懸念が現実味を帯びてくる。長い間、物価の安定に慣れ親しんできた日本人にとっては、深刻な事態というべきだろう。

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2008年9月15日

アメリカの金融不安:リーマンの破産とメリルリンチの身売り

サブプライム・ローン問題に端を発したアメリカの金融不安が新たな段階を迎えたようだ。大手証券会社リーマン・ブラザースが、連邦金融当局と大銀行とによる救済計画が破綻した結果、ついに破産申請をする事態に追い込まれた。また古い伝統を誇る証券会社メリルリンチがバンカメリカに身売りすると伝えられ、アメリカン・インターナショナル・グループは巨大規模の資産売却を決定したという。

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2008年9月18日

FRB、AIGに公的資金投入

FRB米連邦準備制度がAIGアメリカン・インターナショナル・グループに対して850億ドルにのぼる公的資金を投入する決定をした。AIGの株式79.9パーセントを買い上げる方式をとり、2年後には全額を償還する計画で、変則的な貸付方式といえる。AIGはこの資金で当面の危機を乗り切り、その間に所有財産を売却することで返済資金を捻出する計画だ。

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2008年9月21日

ブッシュ政権、金融機関の不良債権処理に全面介入

アメリカが陥っている先の見えない金融危機に対して、ブッシュ政権がついに全面介入する方針を固めた。議会側との交渉において説明している内容によれば、新たに7000億ドルを金融機関から調達し、それを原資に使って、金融機関の抱えている不良債権を買い取ろうというものだ。

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2008年9月30日

アメリカの金融危機:迷走する救済プラン

深まる一方の金融危機に対してブッシュ政権が全面的な介入方針を固め、7000億ドルにのぼる不良債権処理資金の投入を決めたまではよかったが、思いもかけず議会側の反発が強く、計画は宙に浮いたまま、なかなか前へ進まない。そうしている間に、S&L最大手のワシントン・ミューチュアルが破綻し、ついで巨大銀行の一角を担うワコビアが深刻な経営危機に陥る有様だ。

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2008年10月 6日

金融安定化法案の復活:何が議員たちを賛成に回らせたか

ブッシュ政権によって提出された金融安定化法案が、一旦は否決されながら、数日後には劇的な復活をとげた。アメリカの憲政史上でも珍しい出来事である。しかしあれほどこの法案に拒絶反応を示した議員たちが、なぜわずか数日の間に考えを改めたのか。その内幕をワシントン・ポストが巧妙に分析している。

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2008年10月11日

アメリカの金融危機が世界に広がる

アメリカの金融危機が泥沼化の様相を見せ、その影響が国境を越えて世界中に広がった。各国の株式市場は連日大幅な下落を続けている。日本も例外ではない。ニューヨークのダウ平均価格は8000ドル前後まで落ち込み、東京市場でも8000円前後まで落ち込む異常さだ。朝日新聞によれば、9月以降の一ヶ月ほどの間に、世界中で1,400兆円の金融資産が消失したという。

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