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2007年1月27日

結婚に見る階層格差:アメリカの場合

配偶者を持たないアメリカ人女性の割合が、2005年には既に51パーセントに達していたとの、人口センサスの分析結果が先日発表された。1950年には35パーセント、2000年には49パーセントだったから、女性の単身者が急速かつ確実に拡大していることを物語っている。

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2007年2月 4日

クレムリン株式会社:プーチンのロシア

昨年の11月、ロシア人でもとKGB工作員アレクサンドル・リトヴィネンコ氏が、ロンドンの病院で不可解な死に方をしたことは記憶に新しい。氏はチェチェンへのプーチン政権の介入を告発してことで、かねてよりプーチンから目の敵にされていたため、その変死は様々な憶測を呼んだ。

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2007年2月10日

アンナ・ポリトコフスカヤの勇気ある生涯

先日、ロシア社会の閉塞的状況を分析したマイケル・スペクターの記事を取り上げた際、女性ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの暗殺に強い衝撃を受けた。その時点での筆者は、この女性ジャーナリストについて知識を有していなかった。そこで改めて調べてみたところ、インターネット上に、タイムやガーディアンなど西側のメディアによる取材記事を散見した。ここではそれらをもとに、筆者なりのアンナ・ポリトコフスカヤ像を纏めてみた。

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2007年2月24日

ヨーロッパの古い教会レストランに変身

日本ほどではないかもしれぬが、西ヨーロッパ諸国でも、世俗化というか脱宗教化というか、教会離れの現象が進み、かつてのように教会に足を運ぶ人々はめっきり減ってしまったという。これに伴い、使われることのなくなった教会建築が数多く現れ、それらをどうするかが、ひとつの社会問題となっているらしい。

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2007年3月 3日

ロシアマネー、J.W.M.ターナーの名画を落札

先稿「クレムリン株式会社」のなかで、プーチン政権下の最近のロシア経済の好況ぶりについて触れた。この好況を支えているのは、石油や天然ガスなどの地下資源だ。ソ連時代とは異なり、ロシア政府は民間企業に活動の自由を与えているので、民間人の中から企業家が輩出し、億万長者も出現するようになった。一昔前には考えられなかったことだ。

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アラブ世界の結婚難:社会不安の火種

中東のアラブ人たちにとって、結婚は人生の最大関心事であり続けてきた。アラブ世界においては、男は結婚して家庭を持つことによって、始めて一人前と認知される。独身の男は、いくつになっても一人前とはみなされず、社会的・経済的な不利益を被りやすいという。

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2007年3月10日

ヨーロッパの世代間格差:ベビールーザーたち

当ブログではこれまでに、日本のワーキング・プア、アメリカの階層格差、アラブ世界の若者の結婚難などを取り上げてきた。これら格差の問題は、いづれも社会の隙間に生じた病理現象だが、放置しておくと国の未来を危うくする、厄介な問題である。

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2007年3月18日

ガルシア・マルケス、カストロと散歩

ガブリエル・ガルシア・マルケスはフィデル・カストロの親しい友人として知られている。「百年の孤独」と並ぶ彼の代表作「族長の秋」は、カストロのイメージに満ちているともいわれる。

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2007年4月 8日

アメリカ人の九割が神を信じている

アメリカ大統領ブッシュの信仰心は有名だ。信仰深い彼の姿は現在に生きるアメリカ人を象徴している。あらゆる点で地球の今をリードしているアメリカ人だが、こと信仰に限っては、彼らほど保守的な国民はない。

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2007年4月24日

強まるプーチンの独裁

ヴラヂーミル・プーチンの独裁的体質は、かねてより指摘されていたことではあるが、最近は度を超したものになってきつつあるようだ。情報通の中では、プーチンはすでに一線を越えて、スターリン並の独裁者になったとする見解が強まっている。

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2007年4月28日

エリツィンの功罪

ボリス・エリツィン Борис Николаевич Ельцин が死んだ。76歳、死因は持病の心臓病だったようだ。これで、20世紀の世界史を彩った立役者が、もう一人いなくなった。

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2007年5月26日

プーチンの親衛隊

先日、エストニアのタリン中心部に据えられていたソビエト兵士の像が撤去されたことをめぐり、ロシアとエストニアの間で険悪なムードが高まったが、その直後からエストニアの政府機関や公共部門に対する猛烈なサイバー攻撃が発生し、インターネット社会エストニアは深刻な機能不全に陥った。

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2007年6月17日

中国人の姓氏は多様化するか

中国人の人口は13億人を数える。地球上に生きる人間の数は65億人であるから、実に5人に一人は中国人ということになる。

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2007年7月14日

ウクライナにおけるホロコースト

パリにホロコースト・ミュージアムがオープンしたのは2005年1月、第二次世界大戦中ナチスによってフランス国内からアウシュヴィッツに送られた11000人のユダヤ人の記録を後世に残すことが主な目的だった。その場所で今、ウクライナにおけるホロコーストを紹介する展示が行われている。

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2007年12月 8日

クレムリンのうちゲバ

最近行われたロシアの下院選挙では、プーチンを比例候補の筆頭に据えた与党「統一ロシア」が圧勝した。改憲に必要な3分の2を上回る議席を得たことから、プーチンはこれを土台に憲法を改正し、自ら終身大統領になる道を開くのではないかとの憶測も流れている。

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2007年12月25日

韓国の政権交代:李明博勝利の意味

先日行われた韓国の大統領選挙では、大方の予想通り、野党ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)が圧勝した。金大中(キム・デジュン)、ノ・ムヒョンと二代続いた民主党政権が終わり、10年ぶりに政権交代が実現するわけだ。

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2007年12月29日

今年のMan of the Yearはプーチン:米誌タイム

米誌タイムが恒例の Man of the Year に、今年(2007年)はプーチンを選んだ。地球温暖化対策の必要性を訴えてノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア、世界中を熱狂させたハリー・ポッター・シリーズを17年かけて完成したローリングズなど、大きな話題を振りまいた人物には事欠かない年だったが、それらを抑えてプーチンを選んだ理由を、タイムは次のように説明している。

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2008年1月12日

台頭する中国:脆弱なスーパーパワー

今年は北京オリンピックが開催される年だ。中国はその成功に国の威信をかけて、最終準備に取り組んでいるそうだ。かつて東京やソウルがそうであったように、オリンピックを開催することは、国際社会の中で一流国家の仲間入りすることを意味する。大方の高齢の中国人にとっては、自分たちが若い頃に、祖国が世界の一流国家入りすることなど考えられもしなかっただろう。

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2008年2月 1日

中国の一人っ子政策:先鋭化する矛盾

先日中国のテレビ番組の中で流された奇妙な光景が、中国人の間で波紋を呼んでいるそうだ。人気キャスターの某氏がオリンピック特集を報道している最中、その妻でやはり人気者のアナウンサーが突然画面に現れたと思うや、亭主からマイクを奪ってわめき始めたのというのだ。それも、亭主が浮気をして、その女に子どもを作らせたという内容だったので、画面を見ていた人々はみな唖然とした。おまけにその様子は早速「ユー・チューブ」にアップされ、ウェブ・ゴシップの種となった。

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2008年2月 9日

盗まれた腎臓:インドの違法臓器移植

先日ニューデリー郊外の都市グルガオン Gurgaon において、違法な臓器移植を手がけていた闇医療グループが摘発された。このグループはアミット・クマルという男が運営するもので、過去8年間ほどの間に、少なくとも500件の違法臓器移植を手がけてきたとされる。そのやり方は、ドナーをだましたり、脅したりして、強制的に臓器を取り出すというもので、きわめて悪質なものであった。

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2008年2月20日

黒死病再来の恐怖:ペスト流行のきざし

ペストは人類の歴史上もっとも猛威をふるった疫病である。14世紀のヨーロッパでは数回にわたって大流行し、全人口の3分の1が死亡した。そのすさまじさのほどがわかるだろう。ひとびとはこの病気を恐怖して黒死病と呼んだ。それは黒い悪魔が運んできた病気とか、または患者が全身黒くなりながら死んでいったということに基づいている。

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2008年3月 1日

プーチンとメドヴェージェフ:ロシア大統領選挙

明日(3月2日)行われるロシア大統領選挙では、プーチンが後継に指名したメドヴェージェフの圧勝が当然視されている。ジャーナリストたちの関心は、大統領就任後のメドヴェージェフがいつまでもプーチンの傀儡でいるのか、それとも、かつてのプーチンがそうであったように、比較的早く庇護者から自立し、独立の道を歩むようになるか、この点に注がれている。

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2008年3月11日

政治勢力化するアジアの仏教

アジア諸国で仏教の社会的な影響力が急速に拡大しているそうだ。仏教徒の数の増加についていうと、中国では信仰の自由が一定程度保障されるようになった結果、いまや1億人に達するという。インドでは、仏教発祥の地にかかわらず、2001年にはわずか800万人に過ぎなかったものが、一気に3500万人に増えた。台湾も同じ時期に、550万人から800万人に増加するといった具合だ。

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2008年3月22日

ドイツでも拡大する経済格差

今世紀に入って以来、日本は格差社会の様相をますます強めてきているが、この経済格差の拡大は、ひとり日本にとどまらず、先進資本主義社会共通の現象となっているようだ。アメリカはその典型で、持てるものと持たざるものとの格差が今日ほど広がった時代はないといわれる。ドイツのような、かつては日本同様活力に満ち、国民の機会均等が実現していた国でも、格差の拡大が深刻化してきている。

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2008年4月 2日

アメリカの金融不安:ベアー・スターンズの崩壊

サブプライムローン問題に端を発したアメリカの金融不安は、すでに9ヶ月にもなるというのになかなか治まる気配を見せないばかりか、まずます不透明な様相を深めている。ドル安はその象徴だ。また先日は全米第五位の規模をもつ大手投資銀行ベアー・スターンズが事実上倒産し、JPモルガンによって二束三文で買収された。

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2008年4月 3日

チベットの暴動:中国政府が恐れるダライ・ラマの影

3月4日にチベットのラサで発生した暴動騒ぎは、初期の映像が外国人記者によって世界中に発信されたため、俄然注目を浴びた。チベットでは最近中国政府への不満が高まっていると、かねてより報じられていたので、この暴動はその現われかと、世界中の耳目をそばだたせたというわけである。暴動はチベットの内部にとどまらず、四川や甘粛など周辺部のチベット人居住地区にも飛び火したようだ。

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2008年4月15日

中国の若者気質:保守主義と熱狂的愛国心

オリンピックの聖火リレーが始まった。この機会を利用して中国のチベット弾圧に抗議する人々が、イギリス、フランスの両国で聖火リレーに対するパフォーマンスを行い、アメリカでは混乱を恐れた当局が聖火リレーそのものを人目につかないやり方で実施するなど、異常な事態が起きている。中国政府はこれに対して、妨害を取り締まるよう関係国に強硬に申し入れているが、自国民に対しては、リレーは厳粛に行われたなどと、事実をそのままには知らせていない。

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2008年5月 4日

世界で最も影響力を行使する百人、今年のトップはダライ・ラマ

米誌タイムは電子版で、世界中で今年最も影響力を行使するであろうと予想される人物100人について特集記事を発表した。同誌が最近毎年特集しているもので、今回で5回目になる。それによると、今年の影響度ナンバーワンはチベットの精神的・政治的指導者ダライ・ラマだということだ。

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2008年5月 5日

双面の女神インドに誕生す


インド北部ニューデリー近くのサイニという村で、双面の女の子が生まれたそうだ。ラリと名付けられたこの子は、頭部に二つの顔が並んでついており、頬っぺたのところを境界線にして、左右に二つずつの目、一づつの鼻と口がそれぞれ対称をなしてついている。医学的には Craniofacial Duplication (頭蓋顔面複写)というのだそうだが、発生の確率は非常にまれで、近年の報告例はほとんどない。

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2008年8月 1日

ジェーン・メイヤー Jane Mayer アメリカの狂気と恥辱を暴く

雑誌「ニューヨーカー」を舞台に活躍するジャーナリスト、ジェーン・メイヤーJane Mayerの最新の著作 “The Dark Side : The Inside Story of How the War on Terror turned into a War on American Ideals” が大きな関心を呼んでいる。アメリカの対テロ戦争で生じた異常な人権侵害を解明した著作だ。

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2008年8月 2日

米下院アフリカ系市民に公式謝罪

アメリカ下院議会が、アフリカ系市民に対して公式に謝罪する決議を採択した。「アフリカ系市民及び彼らの祖先に対して、奴隷制やジム・クロウ法を通じてなされた数々の不当な仕打ちについて、国民を代表して謝罪する。」というものである。

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2008年8月 5日

ソルジェニーツィン死す

旧ソ連の反体制作家として知られるアレクサンドル・ソルジェニーツインが死んだ。89歳だった。「イヴァン・デニーソヴィッチの一日」、「ガン病棟」、「収容所群島」などの作品は、旧ソ連共産主義体制に潜む非人間性を暴いたものだが、同時に人間の普遍的な感情を描き出したものとして、世界の文学史上において特別の位置を占めるに値する。

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2008年8月11日

再燃するグルジア紛争

グルジアで紛争が再燃している。南オセチアの分離独立運動に対してグルジア軍が介入し、首都のツヒンヴァリを中心に武力衝突が勃発しているのだ。この衝突に、コーカサスのコサックたちが多数加わり、南オセチア側にたって戦闘を繰り広げているようだ。

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2008年8月12日

インフレーションのグローバル化

ガソリン価格の上昇と食料品の相次ぐ値上げが、日本の消費者を直撃している。ガソリンはともかく、食料品まで値上げラッシュに見舞われている事態は、不気味なものを感じさせる。こうした値上げが、他の消費財にも広がるようようだと、広範なインフレの懸念が現実味を帯びてくる。長い間、物価の安定に慣れ親しんできた日本人にとっては、深刻な事態というべきだろう。

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2008年9月15日

アメリカの金融不安:リーマンの破産とメリルリンチの身売り

サブプライム・ローン問題に端を発したアメリカの金融不安が新たな段階を迎えたようだ。大手証券会社リーマン・ブラザースが、連邦金融当局と大銀行とによる救済計画が破綻した結果、ついに破産申請をする事態に追い込まれた。また古い伝統を誇る証券会社メリルリンチがバンカメリカに身売りすると伝えられ、アメリカン・インターナショナル・グループは巨大規模の資産売却を決定したという。

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2008年9月18日

FRB、AIGに公的資金投入

FRB米連邦準備制度がAIGアメリカン・インターナショナル・グループに対して850億ドルにのぼる公的資金を投入する決定をした。AIGの株式79.9パーセントを買い上げる方式をとり、2年後には全額を償還する計画で、変則的な貸付方式といえる。AIGはこの資金で当面の危機を乗り切り、その間に所有財産を売却することで返済資金を捻出する計画だ。

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2008年9月21日

ブッシュ政権、金融機関の不良債権処理に全面介入

アメリカが陥っている先の見えない金融危機に対して、ブッシュ政権がついに全面介入する方針を固めた。議会側との交渉において説明している内容によれば、新たに7000億ドルを金融機関から調達し、それを原資に使って、金融機関の抱えている不良債権を買い取ろうというものだ。

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2008年9月30日

アメリカの金融危機:迷走する救済プラン

深まる一方の金融危機に対してブッシュ政権が全面的な介入方針を固め、7000億ドルにのぼる不良債権処理資金の投入を決めたまではよかったが、思いもかけず議会側の反発が強く、計画は宙に浮いたまま、なかなか前へ進まない。そうしている間に、S&L最大手のワシントン・ミューチュアルが破綻し、ついで巨大銀行の一角を担うワコビアが深刻な経営危機に陥る有様だ。

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2008年10月 6日

金融安定化法案の復活:何が議員たちを賛成に回らせたか

ブッシュ政権によって提出された金融安定化法案が、一旦は否決されながら、数日後には劇的な復活をとげた。アメリカの憲政史上でも珍しい出来事である。しかしあれほどこの法案に拒絶反応を示した議員たちが、なぜわずか数日の間に考えを改めたのか。その内幕をワシントン・ポストが巧妙に分析している。

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2008年10月11日

アメリカの金融危機が世界に広がる

アメリカの金融危機が泥沼化の様相を見せ、その影響が国境を越えて世界中に広がった。各国の株式市場は連日大幅な下落を続けている。日本も例外ではない。ニューヨークのダウ平均価格は8000ドル前後まで落ち込み、東京市場でも8000円前後まで落ち込む異常さだ。朝日新聞によれば、9月以降の一ヶ月ほどの間に、世界中で1,400兆円の金融資産が消失したという。

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2008年10月12日

アイスランドが国の破産に直面

今回のアメリカ発金融危機はあっという間に世界中を飲み込んでしまった。倒産する金融機関が続出し、各国は資本の注入や資金の貸付など対策に大わらわだ。そんな中で、国そのものが破産する事態まで見えてきた。アイスランドがその一例だ。

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2008年10月14日

2008ノーベル経済学賞はポール・クルーグマン

今年(2008年)のノーベル経済学賞は、プリンストン大学教授でニューヨーク・タイムズのコラムニストとしても知られるポール・クルーグマン Paul Krugman 氏が受賞した。

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2008年10月18日

ロシアがアイスランドを救済するワケ

世界金融危機でアイスランド経済が破綻し、ついに国を挙げて身売りする話まで飛び出したが、旧来の同盟国はどこも自分のことで精一杯なのか、困っている隣人を助けようとするものはなかなか現れなかった。そんなところに、思いがけぬ方向から救いの手が差し伸べられた。ロシアである。

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2008年10月21日

世界同時食糧危機:日本の食は大丈夫か

世界のあちこちで食糧危機が深刻に受け止められるようになってきた。アフリカを始めとした発展途上国での食料不足は数年前から大きな問題であったのだが、それがここ1年ほどの間に、先進国を含めた全世界的な現象にまで発展してきたのである。

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2008年10月26日

サミュエルソン金融危機を語る:行き過ぎた規制緩和への批判

朝日新聞が著名な経済学者ポール・サミュエルソンから、今回の金融危機の原因について聞いた(10月25日朝刊紙上)。見出しに「規制緩和と金融工学が元凶」とあるように、サミュエルソンは今回の危機の原因が、ブッシュ政権下の行き過ぎた規制緩和と、加熱したマネーゲームの横行によるものと見ている。

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2008年10月27日

世界金融危機にどう対処するか:財政出動の是非

昨日朝日新聞によるポール・サミュエルソンへのインタビュー記事を紹介したところ、思わぬ反響があった。この記事の中でサミュエルソンはケインズ派経済理論にもとづく財政出動を主張していたのだが、筆者もまた同じ意見だと受け取られたのだ。だが筆者はサミュエルソンやクルーグマンの主張を、私見を交えずに紹介したつもりであって、必ずしも彼らと意見を同じくしているわけではない。

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2008年11月 6日

アメリカ大統領選 Election 2008:オバマ勝利の意味

アメリカ大統領選 Election 2008は一年近くにわたる長丁場の戦いの末、民主党のバラク・オバマが勝利した。アメリカの長い歴史の中で、黒人が大統領になるのは初めてのことだ。それだけにアメリカ国民はもとより世界中の人々が時代の大きな変化を感じ取ったに違いない。

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2008年12月 5日

米自動車産業ビック3の経営危機

アメリカの金融危機が実体経済にまで飛び火し、消費者の購買意欲が劇的な低下を見せる中で、アメリカ経済の象徴であった自動車産業が危機的な状況に陥っている。自動車の売り上げが昨年比30パーセントも減少する事態に見舞われ、ビッグスリーはいづれも深刻な経営危機に陥ったのである。

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2008年12月17日

ブッシュの自画自賛に怒りの靴

ブッシュ政権が退場を目前に控え、これまで8年間にわたる自らの政権運営を総括したうえで、それがあらゆる意味で米国及び世界の利益にかなったものであったことを自画自賛し、世界中の顰蹙を買ったのはつい最近のことだ。

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2008年12月25日

激増するアメリカのホームレス

今年のクリスマスは、多くの人々にとって苦々しいものになったろう。突然吹き起ったともいえる不況の風にあおられて、職を失い、場合によっては住むところを失って、路上でサンタクロースの到来を待ったものもいただろう。

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2009年1月10日

魔女の火あぶり

魔女の火あぶりなどというと、中世ヨーロッパの森の奥から遠くこだましてくる言葉のように聞こえるが、21世紀の地球上にも、いまだに同じことが行われている所があると聞き、驚いた。

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2009年2月25日

悲しいベビーブーム:四川大地震の後遺症

中国四川省で巨大地震が発生し、多くの人が死んだのをはじめ、甚大な被害をもたらしたのは昨年の5月のことだ。何しろ87000人が死亡し、そのうちの19000人は子どもだというのだ。それ以来復旧は進められているようだが、全面倒壊して多くの児童・生徒が犠牲になった学校は、まだ瓦礫の山のまま残っており、その下には発見されていない子どもの遺体も埋まったままだという。

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2009年3月 4日

オバマ政権の経済政策

オバマ政権が発足して一月半が経過した。この間オバマ大統領は差し迫る金融危機への対応に追われ、選挙期間中に掲げていた経済政策の枠組みについては、本腰を入れて実施するだけの余裕がなかった。だが新たな予算編成のなかで、一気にその遅れを取り戻し、アメリカを新たな社会的枠組に導いていこうとする意欲をのぞかせた。

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2009年3月16日

A.I.Gが経営陣に巨額のボーナス

アメリカ流資本主義のルールにはわけの分らぬところが多い。とりわけこのたびの金融危機をめぐっては、筆者の理解を超えた事柄が起こる。政府から1700億ドルのベイルアウト資金を受けたA.I.Gが、自社の経営陣に対して巨額のボーナスを支払うつもりだなどという話を聞くと、理解できないというより、腹立たしい気持ちにもさせられる。

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2009年3月25日

BRICs:世界経済地図は塗り替えられるか

今回の世界的規模での経済危機は当分持続しそうな様子だが、これを契機にして、世界の経済地図が大きく塗り替えられていくのではないかと予測されている。というのも、BRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)といわれる新興の経済パワーが、不況にあえぐ先進諸国を尻目に、相対的に高い経済成長を続けており、この勢いが止まらないと、やがて先進諸国に拮抗する巨大経済パワーに成長する可能性が高いからだ。

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2009年3月26日

アメリカの釣りブーム:気軽で金のかからないスポーツ

アメリカはいま、空前の釣りブームだそうだ。詳しい統計はまだ出てないが、スポーツ洋品店や餌の販売店の実感にもとづけば、今年の冬は昨年に比較して数十パーセント増の売り上げを記録しているという。

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