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デモクラシー Démocratie :ランボー「イリュミナション」


ランボーの「イリュミナション」から「デモクラシー Démocratie」 (壺齋散人訳)

  薄汚れた風景の中を旗がなびき、
  田舎者のわめき声が太鼓の音をかき消す

  「俺たちが養うべきは飛び切り皮肉屋の売奴だ
  理屈屋どもの革命などくたばれ

  「気の利いたテンペラ画のような国万歳!
  産業と軍隊のために奉仕せよ

  「ここがどこだろうともういい、おさらばだ
  徴兵に志願して、残忍な哲学を身につけよう
  科学を軽蔑し、快楽に悪知恵を働かせ
  世の中がどうなろうと知ったことか。
  これが本物の行進だ いざ前へ進め」

この散文詩は、書かれている内容や雰囲気からして、「パリの軍歌」と裏腹にある。書かれた時期は異なるかもしれないが、ランボーはパリ・コミューンの挫折を念頭においてこの詩を書いたものと思われる。

恐らくロンドンの俗物主義が、パリのブルジョアたちの日和見主義を思い出させたのだろう。デモクラシーという言葉は、ランボーにとっては、プチブルの合言葉のように映った。


Démocratie

    "Le drapeau va au paysage immonde,
  et notre patois étouffe le tambour.

    "Aux centres nous alimenterons la plus cynique prostitution.
  Nous massacrerons les révoltes logiques.

    "Aux pays poivrés et détrempés!
  - au service des plus monstrueuses exploitations industrielles ou militaires.

    "Au revoir ici, n'importe où.
  Conscrits du bon vouloir, nous aurons la philosophie féroce;
  ignorants pour la science, roués pour le confort;
  la crevaison pour le monde qui va.
  C'est la vraie marche. En avant, route!"


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