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星の悲しみ Tristesse d'une étoile :アポリネール


ギヨーム・アポリネールの詩「星の悲しみ」 Tristesse d'une étoile(壺齋散人訳)

  美しいミネルヴァが僕の頭から生まれた
  血が星となって永遠に僕の頭を飾るのだ
  戦いの女神が僕の頭を武装してくれる
  分別は底のほうに 空はてっぺんにある

  だから僕の頭にあいた星のような穴も
  僕にとっては最悪な不運とはならなかった
  むしろ知らないところでおきている不幸が僕の妄想を駆り立て
  どんな心でさえ隠せないほど大きくなった

  僕はこの燃えるような苦しみにさいなまれている
  蛍が己の身を燃え焦がすように
  兵士の心がフランスへの思いで震えるように
  百合の心が花粉に咽びつくように


この詩は、アポリネールが戦場で頭に銃弾を蒙ったときの体験を歌ったものである。アポリネールはその負傷をあまり深刻なものとは受け取らなかった。そんな気持ちを改めて詩にしたのであろう。

ミネルヴァはローマ神話の女神。ギリシャ神話のアテナに相当する。アテナはゼウスの頭から武装して生まれてきた。そんなアテナの姿に、アポリネールは自分の頭の傷を喩えているのである。


Tristesse d'une étoile - Guillaume Apollinaire

  Une belle Minerve est l'enfant de ma tête
  Une étoile de sang me couronne à jamais
  La raison est au fond et le ciel est au faîte
  Du chef où dès longtemps Déesse tu t'armais

  C'est pourquoi de mes maux ce n'était pas le pire
  Ce trou presque mortel et qui s'est étoilé
  Mais le secret malheur qui nourrit mon délire
  Est bien plus grand qu'aucune âme ait jamais celé

  Et je porte avec moi cette ardente souffrance
  Comme le ver luisant tient son corps enflammé
  Comme au cœur du soldat il palpite la France
  Et comme au cœur du lys le pollen perfume


関連リンク: 詩人の魂ギヨーム・アポリネール:生涯と作品

  • フランス文学と詩の世界





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