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シェイクスピアのソネット71  No longer mourn for me


シェイクスピアのソネット71  No longer mourn for me when I am dead(壺齋散人訳)

  私が死んだからといって もう泣かないでくれたまえ
  せめて無愛想で陰気な鐘が鳴り響き
  私の死を世間に知らせている間にしてほしい
  邪悪な虫が住む邪悪な世の中から私は飛び去るのだ

  君がもしこの詩を読んでも
  それを書いた者を思い出さないでくれたまえ
  私は君を愛しているから 君が悲しむのを見るよりは
  むしろ君の思い出から忘れ去られるほうがよい

  私が土と混ざり合う頃
  君がこの詩を読んだとしても
  私の名前など口にすることなく
  私への愛など捨て去ってくれたまえ
    さかしい世間が君の嘆き悲しむのを見て
    私が死んだ後でも君を馬鹿にすることがないように


この71番の詩から74番にかけては、作者である詩人の死を歌ったものだ。読者はこれを読んで、いきなり自分のことを忘れてほしいと訴えかけられ、面食らうかもしれない。

だがこの詩は、青年に対する詩人の永遠の愛を歌ったものなのだ。詩人の愛は無私の献身に支えられているから、自分の死が青年を嘆き悲しませることを喜ばない。


SONNET 71 –William Shakespeare

  No longer mourn for me when I am dead
  Then you shall hear the surly sullen bell
  Give warning to the world that I am fled
  From this vile world, with vilest worms to dwell:

  Nay, if you read this line, remember not
  The hand that writ it; for I love you so
  That I in your sweet thoughts would be forgot
  If thinking on me then should make you woe.

  O, if, I say, you look upon this verse
  When I perhaps compounded am with clay,
  Do not so much as my poor name rehearse.
  But let your love even with my life decay,
    Lest the wise world should look into your moan
    And mock you with me after I am gone.

the surly sullen bell:death bell、The hand that writ it:この詩を書いた私の手、should make you woe:君を悲しませるかもしれない、When I perhaps compounded am with clay:私が土に帰するだろうとき、Do not so much as my poor name rehearse:私の名前さえ言わないでくれ、Lest:for fear that


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