ロリコンサイトと呼ばれる、児童を対象にした卑劣で醜悪なポルノサイトがインターネット上にあふれている。それもロシアと並んで、日本が最大の発信基地だというから、見逃せない。いまや世界中の変質者たちにとって、日本は尽きせぬロリータの泉になってしまったのだろうか。
インターネット上の児童ポルノサイトの存在は、その影に陰湿な犯罪行為を伴っているものが殆どだ。その一端について、筆者は先稿「ロリコンサイトの摘発」のなかで紹介した。
アメリカやカナダなどは、こうしたサイトが蔓延することで、多くの子どもたちが犯罪の毒牙にかかっていることを深刻に受け止め、その撲滅に乗り出す一方、児童ポルノサイトを運営することは無論、子どもを対象にしたポルノビデオを所持し、あるいは享受すること自体を取り締まりの対象とするようにした。
この結果、どれ位の効果が上がっているかは、検証の余地があるだろうが、少なくとも、児童ポルノで儲けようとする連中や、児童ポルノを享楽するロリコン野郎どもに、一定の抑止効果は与えているに違いない。
日本の法律も、児童ポルノサイトの運営者は取り締まることになっている。だがアメリカやカナダの関係者にいわせれば、ザル法同然で、十分な抑止力になっていないという。その結果日本はおびただしい児童ポルノが、インターネット上にあふれかえる国になってしまった。
日本ユネスコ協会の調べによると、日本において児童ポルノを巡って摘発された件数は、平成14年には40件だったものが、平成19年には304件に跳ね上がった。これは氷山の一角で、水面下を含めるとどれくらいの犯罪行為が行なわれているか、推して知るべきである。ともあれ摘発される件数がこれほど急激に増えているということは、児童ポルノの増加にも拍車がかかっていることの証といえる。
摘発された犯罪行為の犠牲になった子どもたちの内訳をみると、特定できたものの母数336人のうち、最も多いのは高校生146人、中学生107人、小学生27人、未就学児童6人ということだった。
年端のいかぬ幼児までもが、児童ポルノの犠牲者となっていることに、戦慄を禁じ得ない。被害にあった女の子の中には、心に深い傷を被り、自分は穢れてしまった罪深い人間だ、結婚できないことは無論、この先どうやって生きていったらよいかわからないと、絶望に陥っている子もいる。そうしている間にも、自分の恥ずかしい姿を映した映像が世界中に流されているのかと思うと、死にたい気持ちにもなる、そう訴えている子もいる。
日本ユネスコ教会では、現行の日本の法律に、児童ポルノを阻止できない要因があると考えている。その最たるものは、児童ポルノの需要者に対して日本の法律が何の規制も行なっていないことだ。この連中が野放しの状態で、児童ポルノの需要者であり続ける限り、それを供給して金儲けしようと考える連中もあとをたたない。
アメリカやカナダでは、児童ポルノの映像媒体を所有しているだけで、重い処罰の対象になる。つまり需用のインセンティヴを閉ざすことによって、供給を細らせようとする作戦だ。先進国の中で、日本とロシアだけが、児童ポルノの需用を野放しにしてきた。その結果が今日のような事態を招いたのだと、日本ユネスコ教会は考えている。
日本政府も近頃、アメリカ政府から児童ポルノの享受者も厳しく処罰するよう求められ、やっと重い腰を上げ始めたようだ。
外国に苦言を呈せられて始めて事態の深刻さに気づくというのは、今に始まったことではないが、これを機に世界一厳しい取締りをして欲しいものだ。子どもを相手に汚らしい性欲を満足させ、それで一儲けしようと考えるような連中は、万死に値する。
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