« 長寿世界一は男女とも日本人 | メイン | 酬劉柴桑:陶淵明 »


ロリコンサイトの摘発


ネット上に存在するアダルトサイトはすさまじい数に上る。何しろ性欲は人間の本性に根ざしたものだから、需要は限界をしらない。その数は無限大にむかって増え続けるばかりだろう。

アダルトサイトの中でも、倒錯的な性欲をあおるものは問題だ。とくにロリコンサイトと呼ばれるものは、小さな子どもを性欲の対象にして、醜悪な映像を流しているものが多い。子どもを虐待したり、レイプしたりする犯罪的なサイトも多数存在する。

そうしたロリコンサイトは国際的な広がりを持っているので、捜査当局にも国際的な協力が欠かせない。これまでに、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの捜査当局が中心になって、犯罪的なロリコンサイトの捜査を進めてきた結果、いくつかのサイトの管理者を摘発し、彼らによって虐待されていた子どもを31人も救出してきたという。

そんな捜査当局の摘発にいたる働き振りを、 AP の記事が紹介している。Police smash global pedophile ring By D'ARCY DORAN, AP

まずカナダの捜査当局が2005年の春に、あるロリコンサイトを追跡し始めたのが、この種の捜査のスタートだった。そのサイトは「チャット・ルーム」形式の会員制サイトで、会員はサイト運営者に予約を取った上で、子どものレイプシーンをオンラインで見られるというものだった。

捜査当局が用いた手法は、テロや組織犯罪の摘発に使うのと同様のテクニックだったという。その結果、このサイトの運営者がイギリスにいることがわかり、捜査はイギリスの当局に引き継がれた。当局は会員に成りすまして「チャット・ルーム」に侵入し、サイト情報を把握して犯人を逮捕するに至ったのである。

逮捕されたのは27歳の男の小児性愛倒錯者(俗にいうロリコン男)だった。この男は小児対象性犯罪を繰り返す恐れがあると認定され、無期懲役の判決を受けた。

犯人の逮捕後、当局はすぐにサイトを封鎖せずに、引き続き捜査を続け、関連サイトの情報や画像の供給者のリストを収集し続けた。

思いがけないことには、このサイトを封鎖して数週間後、別の人物がこのサイトを引き継ぐ形で立ち上げ直した。当局は既に得ていた情報なども活用しながら、比較的短期間でその運営者を逮捕することが出来たという。この場合においても、前回同様サイトをすぐに封鎖せず、犯罪に結びつきそうな情報を集め続けたことはいうまでもない。

こうした方法によって、2005年以降、カナダの捜査当局だけでも24人を逮捕し、7人の子どもを救出したという。いまやその動きは、アメリカ始め他の国々でも強まりつつある。

ところで、救出された子どもたちが、どのような経緯で犯罪者たちの毒牙にかかったのか、今のところ詳細は明らかにされていない。捜査当局では当然、失踪した子どもたちとの関連を調べているだろう。

先日はマデリン・マッカーンという4歳の女児がポルトガルで行方不明になった。この子もロリコン男に連れ去られたのではないかと疑われているが、いまのところ関連ありそうな情報は発見されていないらしい。


関連リンク: 日々雑感

  • ボディ・ファーム:現代の風葬?

  • 前世と生まれ変わり:記憶モニタリングエラー

  • 精神療法としての祝祭:エーレンライヒ説

  • 脳はベター・セックスを演出する

  • 「うつ」と向き合う男たち

  • フラミンゴのゲイ・カップル

  • 鴨(鳥類)の生殖器官

  • 老人の性教育

  • 吊るしのテクニック:残虐な絞首刑?

  • ペンギンの愛と川嶋あいの歌






  • ブログランキングに参加しています。気に入っていただけたら、下のボタンにクリックをお願いします
    banner2.gif


    トラックバック

    このエントリーのトラックバックURL:
    http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/266

    コメント (1)

    管理人:

    この事件はその後、意外な展開を見せ、両親がポルトガル警察によって疑われ、取り調べられた。

    コメントを投稿

    (いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)




    ブログ作者: 壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2006

    リンク




    本日
    昨日