アメリカではいま、老人たちを対象にした性教育が盛んになっているそうだ。(老人にも安全なセックスを)
これには、バイアグラの普及や、男性ホルモン療法の確立により、年老いた男の性欲が解放されている事情があるという。これに伴い、老人の間にもHIVを始めとした性感染症が広まってきた。こうしたことが背景になって、彼らをターゲットにした性教育の必要性が高まってきたのだろう。
しかし何故、老人に性教育なのか。専門家によれば、一昔前に青春時代を送った人々は、今の若者とは違い、セックスを恥ずかしいものと考えて、科学的な知識を身につけることのなかった者が少なくない。その結果、セックスを通じてパートナーを傷つけたり、果ては性感染症にかかったりする。
こんな老人の性教育の現場を、先日のニューヨーク・タイムズが伝えていた。 "Greatest Generation Learns About Great Safe Sex; By Corey Kilgannon"
バレンタインデーの当日、場所はニューヨーク・クィーンズ地区の住宅コンプレックスの一画、聴講者には七十代、八十代の高齢の男女が目立つ。彼らを前にインストラクターが、男女の性器の特徴や安全なセックスの仕方について、生々しい説明をする。余りの生々しさに、体を震わす女性もいたほどだ。
インストラクターが最も強調するのは、性感染症を予防するために、コンドームを着けましょうということだ。買うのが恥ずかしければ、帽子を被り黒いサングラスをして人相をカムフラージュすればよい。それでも気が引けて買えない場合には、コンドームの代用品としてサランラップを用いましょう。これは、ペニスにかぶせるのではなく、ヴァギナの壁を覆うのです、といった具合である。
セックスの心がけについても、遺漏がない。老人のペニスは余り長くは勃起していられないが、金属製のリングをペニスの根本部分にはめると、持続時間を長く保てる。これは、アメリカの性玩具店で簡単に買うことが出来るそうだ。老人は無論、若い人にも効用がある。
高齢の女性にとって最大の問題は、ヴァギナに潤いがなくなり、場合によってはからからに干からびてしまうことだ。乾ききったヴァギナに無理にペニスを挿入すると、女性は痛みを感じるばかりだろう。これは、ヴァギナとペニス双方に潤滑剤Lubricantを塗ることでカバーできる。オリーブ・オイルなどの食用油や赤ちゃん用の乳液でも十分役に立つ。
高齢の女性の中には、子宮の病気を経験したものが多い。彼女たちを相手にセックスするときには、男の方ではそれなりの注意が必要となる。でないと、とんでもないことになる恐れがある。病気の結果短くなった女性の膣には、男の長い肉の棒を受けいれる余裕のない場合が多いのだ。
女性はヴァギナにペニスを挿入される以外にも、耳やクリトリスへの愛撫などでオルガスムを得られる場合があるから、パートナーをよく理解して、充実したセックスに努めるべきだろう。
年をとったからといって、セックスの喜びを諦める必要はありません、皆さん、鏡の前で裸の自分を眺め、もっと自信を持ちましょう、要は自分自身を愛することですと、インストラクターはいう。
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