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忌まわしい眺め Paysage Mauvais:トリスタン・コルビエール


トリスタン・コルビエールの詩「忌まわしい眺め」 Paysage Mauvais(壺齋散人訳)

  干からびた骨の砂 -波が弔いの鐘のような音をたて
  ひとつまたひとつとざわめき寄せる
  ―どんよりとした沼地には
  月が虫を飲み込んで 夜が更ける

  ―沈黙のペストの 熱が煮えたぎり
  罰当たりな妖精がもだえ苦しむ
  ―腐った葉っぱには兎が
  臆病な魔法使いのように逃げ隠れる

  白い洗濯女が死んだ奴らの
  シャツを洗って広げて干した
  狼たちの太陽の下には -ガマガエルだ

  憂鬱そうな聖歌隊員が
  下痢をした糞で キノコを 
  そして奴らの腰掛けを汚染している


この詩は疫病が蔓延するイメージを歌っているようだが、その疫病が何をさしているのか、よくわからない。

この詩にもガマガエルが出てくる。


Paysage Mauvais - Tristan Corbière

  Sables de vieux os—Le flot râle
  Des glas: crevant bruit sur bruit....
  —Palud pâle, où la lune avale
  De gros vers, pour passer la nuit.

  —Calme de peste, où la fièvre
  Cuit.... Le follet damné languit.
  —Herbe puante où le lièvre
  Est un sorcier poltron qui fuit....

  —La Lavandière blanche étale
  Des trépassés le linge sale,
  Au soleil des loups....—Les crapauds.

  Petits chantres mélancoliques
  Empoisonnent de leurs coliques,
  Les champignons, leurs escabeaux.

  (Marais de Guérande.—Avril.)


関連リンク: 詩人の魂トリスタン・コルビエール

  • フランス文学と詩の世界





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