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ハバードおばさん Old Mother Hubbard :マザーグース


ハバードおばさん Old Mother Hubbard (マザーグースの歌:壺齋散人訳)


  お人よしのハバードおばさん
  ワンちゃんに骨を上げるために
  台所へ取りに行きました
  でもそこへいってみると
  台所はもぬけの殻で
  ワンちゃんは骨をもらえませんでした

  ハバードおばさんはパン屋さんに行って
  ワンちゃんにパンを買おうとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんは死んだまねをしていました

  ハバードおばさんは葬儀屋さんに行って
  ワンちゃんに棺を買おうとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんはニヤニヤ笑っていました

  ハバードおばさんはきれいなお皿に
  ワンちゃんのご馳走を盛ろうとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんはタバコをふかしていました

  ハバードおばさんは酒倉に行って
  ワンちゃんにビールをあげようとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんは椅子に腰掛けていました

  ハバードおばさんは酒屋さんに行って
  ワンちゃんに白と赤のワインを買いました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんは逆立ちをしていました

  ハバードおばさんは八百屋さんに行って
  ワンちゃんに果物を買おうとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんはフルートを吹いていました

  ハバードおばさんは洋服屋さんに行って
  ワンちゃんにコートを買おうとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんはヤギにまたがっていました

  ハバードおばさんは帽子屋さんに行って
  ワンちゃんに帽子を買おうとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんはネコに餌をやっていました

  ハバードおばさんは床屋さんに行って
  ワンちゃんにカツラを買おうとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんは踊りを踊っていました

  ハバードおばさんは靴屋さんに行って
  ワンちゃんに靴を買おうとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんは新聞を読んでいました

  ハバードおばさんは仕立て屋さんに行って
  ワンちゃんにリネンを買おうとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんは糸紡ぎをしていました

  ハバードおばさんは下着屋さんに行って
  ワンちゃんに下着を買おうとしました
  でもおばさんが戻ってくると
  ワンちゃんはおめかしをしていました

  お嬢さんはご挨拶をします
  ワンちゃんはお辞儀をします
  お嬢さんは「こんにちわ」といいます
  ワンちゃんは「ワンワン」といいます

ハバードおばさんとワンちゃんとの愉快なすれ違いを歌ったもので、理屈なしで楽しめる歌です。その面白さは、ライム(脚韻)という音の類似性を利用した言葉遊びの面白さにあります。たとえばフルーツを買って帰ったら、ワンちゃんはフルートを吹いていたといった具合の、言葉の洒落です。

日本語に訳すとその辺の面白さがわかりにくくなりますが、英語では脚韻が言葉の洒落にも結びついているのです。子どもたちは小さいときから、こうした言葉遊びをすることで、詩の楽しさを学んだのだと思います。


Old Mother Hubbard

  Old Mother Hubbard
  Went to the cupboard
  To fetch her poor dog a bone;
  But when she came there
  The cupboard was bare,
  And so the poor dog had none.

  She went to the baker's
  To buy him some bread;
  But when she came back
  The poor dog was dead.

  She went to the joiner's
  To buy him a coffin;
  But when she came back
  The poor dog was laughing.

  She took a clean dish
  To get him some tripe;
  But when she came back
  He was smoking a pipe.

  She went to the alehouse
  To get him some beer,
  But when she came back
  The dog sat in a chair.

  She went to the tavern
  For white wine and red,
  But when she came back
  The dog stood on his head.

  She went to the grocer's
  To buy him some fruit;
  But when she came back
  He was playing the flute.

  She went to the tailor's
  To buy him a coat,
  But when she came back
  He was riding the goat.

  She went to the hatter's
  To buy him a hat;
  But when she came back
  He was feeding the cat.

  She went to the barber's
  To buy him a wig,
  But when she came back
  He was dancing a jig.

  She went to the cobbler's
  To buy him some shoes,
  But when she came back
  He was reading the news.

  She went to the seamstress
  To buy him some linen,
  But when she came back
  The dog was a-spinnin'.

  She went to the hosier's
  To buy him some hose,
  But when she came back
  He was dressed in his clothes.

  The dame made a curtsey,
  The dog made a bow;
  The dame said, "Your servant."
  The dog said, "Bow wow!"


関連リンク: マザーグースの歌

  • 英詩と英文学

  • ウィリアム・ブレイク詩集

  • シェイクスピア





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