何にほっとしたのか? 防衛大臣の本音

| コメント(0) | トラックバック(0)

120714.Osprey.jpg

7月23日、目下安全性を巡って問題になっているオスプレイを、米軍が岩国基地への陸揚げを強行したことについて、森本防衛大臣が「混乱なく陸揚げできて、ほっとした」と発言したところ、地元の岩国市長らが早速反発した。「いったい何にほっとしたのか」というわけだ。

オスプレイが安全性に不安があることはかねてから問題視されており、最終配備先の沖縄県はもとより、暫定配備先の山口県も、安全性が最終的に確認されるまでは配備を行わないよう政府に申し入れていた。それに対して政府が答えたのが、米軍の陸揚げ強行を許したということだったわけだ。

陸揚げ後は、8月に予定されている米国の調査報告を待って、日本政府としても安全性を確認したい、それまでは試験飛行させないと森本大臣は言っているが、一方では10月から沖縄での本格運用という米側の方針は変わらないとも述べ、それに理解を示しもした。そこで、いったいどっちが本音なのか、といった疑念を振りまいている。

野田総理大臣も、安全性を確認することが試験飛行の条件だと述べてはいるが、もともとは、オスプレイの配備は米軍のやることであり、日本政府がとやかく言う筋合いのことではないと言っていた。

こんなわけだから、オスプレイ問題は、野田政権の無責任ぶりをあぶりだす効果をもたらし、政権にとって深刻な頭痛の種になりつつある。

オスプレイの配備自体は、日米安保条約に基づく米軍戦力の強化策として、批判すべき筋合いのものではなかろう。その性能からして、尖閣などを舞台に局所的な武力衝突が起こった場合、短時間で大量の戦力を運ぶことができる。それ故、戦力としても、抑止力としても多大な効果が期待できる。

問題なのは、安全性に不安があるということなのだ。政府や米軍はその問題を地元の人々に十分説明して、安心と了解を得る努力をしなければならない。ところがその肝心なことを怠ってきたために、こんな事態になっているわけなのだ。

野田総理大臣の「とやかく」云々の発言からは、オスプレイの配置をはじめ、在日米軍のコントロールについて日本政府は口出しすべきではなく、米軍の好きなようにやらせるのが当たり前だ、という意識が感じられる。米軍にばかり顔が向いていて、国民には何らの配慮もしないと言った姿勢が、そこからは読み取れる。

そんな政府首脳の態度が頭にきているからこそ、沖縄の人々も山口の人々も強烈な不信感を突きつけているのだと思う。本質的な問題は日米安保云々ではなく、野田政権の国民軽視の態度にあるといえる。(写真は米軍HPから)





≪ リムパック2012にロシアが参加:米の中国包囲網 | 日本の政治と社会

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/4180

コメントする



アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

この記事について

このページは、が2012年7月24日 20:11に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「豊穣たる熟女たちと大いに語る」です。

次のブログ記事は「真間の手古奈はチョウチョだった」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。