世界情勢を読む


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保守派の論客として知られるニアル・ファーガソン(Niall Ferguson)が、雑誌Newsweek の最近号に、オバマ大統領を強く批判する記事を寄せた。題名は Hit the Road, Barack (立ち去れ、オバマ)というショッキングなものだ。するとすかさず、クルーグマンが反論の文章をニューヨーク・タイムズのコラムに寄せた。ファーガソンのオバマ批判はお門違いだというのだ。

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先日失脚した元重慶市トップ薄熙来の妻で、イギリス人殺害の容疑で裁かれていた谷開来に、2年間の執行猶予つきで死刑判決が言い渡された。

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今時民主主義国家を標榜する国でこんなことが起きるとは驚きだ。スト中の労働者に対して治安当局が発砲し、大勢の労働者が殺害されたというのだ。殺害したほうはこれを正当な行為だと主張し、殺害された方は非人道的な皆殺し行為だと非難している。

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ミット・ロムニーがポール・ライアンを副大統領候補に選んだと聞いて、驚いたのは筆者のみではあるまい。ライアンと言えば、保守化の傾向を強めている共和党の中でも最も右寄りの人物だ。そのいうことは小さな政府の一点張りで、外交を含めて政治家としてのキャリアは非常に小さく、その能力にも疑問がもたれている。そういう人物を副大統領候補に選んだということは、共和党保守派の票を取り込みたいという意向が強く働いた結果だろう。なにしろライアンは共和党保守派のホープと言われる人材なのだ。

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今年(2012年)の2月、プッシー・ライオットという名のロシアの女性パンクロック・グループが、モスクワにあるロシア正教の大聖堂に忍び込み、覆面姿で外壁の上に立って、プーチンを批判する内容の歌を歌った。「マリア様、プーチンめを追い出してちょうだい」という歌詞だった。

先日、中国に進出した日本企業王子製紙の排水問題をきっけかに、江蘇省南通市で住民暴動が勃発したが、それをを取材していた朝日新聞の記者が、地元の警察官から暴行を受け、カメラを略奪されるという事件が起こった。この事件に対して、朝日新聞社は外交ルートを通じて抗議したようだが、暴行を働いた警察官の特定など、はかばかしい成果は期待できそうもないようだ。

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オリンピックが華やかに繰り広げられているロンドンだが、華やかなのは競技場の中だけで、一歩街中に出ると不況風が吹いているといわれる。期待した観光客の脚は、ロンドン都心や観光スポットには及ばず、ロンドン名物のミュージカル・シアターやパブでは閑古鳥が鳴いているそうだ。ユーロ圏を襲っている不況の風に加えて、イギリスが抱えている構造的な要因も働いているようだ。

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反体制派のブロガーとして知られ、反プーチン・デモのリーダーでもあったアレクセイ・ナヴァーリヌィが刑事訴追された。容疑は材木を盗んだ、というものである。このニュースが伝えられると、西側のジャーナリストの間では、プーチンによる反体制派の弾圧が本格化するのではないかとの観測が広がったようだ。

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アメリカ大統領選の共和党候補ロムニーが、イスラエルとパレスティナを比較しながら述べた言葉がちょっとした波紋を投げかけている。イスラエルを訪問中のロムニーは、選挙資金を集めるパーティを開いたのだったが、自分の息子をも伴ったそのパーティの席上で、イスラエルを礼賛し、パレスティナを貶めるような発言をしたのだった。

前著「戦後ドイツ」で、三島氏は第二次世界大戦の終了から1990年の再統一にいたるまでのドイツ現代史を、主に思想家の動きに焦点をあてながら解説していた。その続編ともいえる「現代ドイツ」は、再統一後、EU統合の動きが深まりゆく2000年代10年間の前半までをカバーしている。思想家の動向を中心にしていることは、前著と異ならないが、前著に比べると、政治的な動向により大きな配慮が施されている。

ロシアと中国はともに、社会主義的計画経済から市場経済への移行を図ってきたが、その結果は極めて対照的なものになった。一言で言えば、中国の成功とロシアの失敗のコントラストである。ロシアが資本主義的経済への体制移行に努めた1990年代に限ってみても、中国は年平均10パーセントを上回る率で成長を続けたのに対し、ロシアは年平均5.6パーセントも成長率を低下させ、その結果2000年におけるロシアのGDPは1990年のそれの3分の2以下になってしまった。ロシアにはかつての経済大国のイメージはなくなり、それに代わって中国が経済大国への道を歩み始めたのである。

メドヴェージェフの北方諸島(ロシア名クリル諸島)視察について、プラウダ(WEB英語版)が比較的抑制された調子の記事を載せているので、資料保存の意味合いから、ここに紹介しておきたい。

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「シリアは戦争状態」 シリアのアサド大統領が、26日の閣議でこう述べたそうだ。アサド大統領はこれまでシリアが内戦状態にあることを認めず、一部の反体制派がテロ活動をしているだけだと表明していたが、シリアが初めて内戦状態にあることを認めた形だ。これにともない、政府軍による反体制派への攻撃に、総動員体制で臨むことを表明した。

ドイツは第二次世界大戦の敗戦国として連合国の占領を受け、連合国の思惑に振り回されながら戦後の復興を成し遂げたという点で、日本とは大きな共通点がある。しかし、冷戦のあおりをうけて国が分裂し、東西が鋭く対立したこと、その過程で国土の大きな部分を失うことになったこと、などの点では、日本よりはるかに困難な歴史をたどってきた。そんなドイツの戦後史について、筆者はまだ体系的にカバーしたことが無かったので、その穴を埋めようと、まず取り掛かったのがこの本である。

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6月16-17日にかけて行われたエジプトの大統領選挙決選投票の結果が24日に発表され、ムスリム同胞団を基盤とする政党イスラム自由正義党のムハンマド・ムルシ氏が、軍部が推すアフマド・シャフィーク氏を僅差で破り、エジプトでは初めてのイスラム大統領となった。

大国の指標の一つとして20-50クラブというのがあるのだそうだ。一人当たり国民所得が2万ドル以上で、人口が5000万人以上の国からなる。豊かな経済大国といったイメージだが、韓国はその7番目のメンバー入りを果たした。

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G20の場を利用して、プーチンとオバマが会談した。プーチンにとっては、アメリカ大統領と会談するのは、大統領職に復活して以来初めてのことだ。先日は、G8の席に自ら出席せず、メドヴェージェフを代理に立てたプーチンだが、G20の場は、欧米以外の広範な勢力をも代表しているとあって、自ら出席した形だ。そんなプーチンとの会談を、オバマは首を長くして待っていたフシがある。

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「アルジェリアのバラ」として知られる歌手ワルダ(Warda Al Jazairia)が、5月17日にカイロで、72歳で死ぬと、大勢の人々が弔問のために集まってきたそうだ。彼女はウム・カルスーム(Oum Kalthoum)と並んで、アラブの連帯のシンボルだったという。

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6月12日にモスクワ中心部で行われた反プーチンデモには、事前予想を上回る5万人が参加して、大いに盛り上がったそうだ。アレクセイ・ナヴァーリヌィらデモ組織者が、治安機関に拘束されて不在だったにもかかわらずだ。そのうえ、デモは大した混乱もなく終わった。官憲側が自重したという見方もある。

プラウダの英語版(WEB)は時折愉快な自虐記事を掲載するが、6月6日付の記事にも、そんなのがあった。ロシア人を二流国民扱いする西側ジャーナリズムに腹を立てたらしい記者が、ロシア人は何故ダメな民族なのか、その所以をアイロニックに分析してみせたものだ。

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