世界情勢を読む


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金正日死後、北朝鮮の新たな権力者として姿を現しつつある金正恩が、世界に向けて初めてメッセージを発した。自分自身の口からではなく、国防委員会の声明としてだ。発表の形式からして、金正恩が軍の庇護下にあることをうかがわせ、金正恩がまだ自立していないのではないかとの観測を強めているが、それにしても内容はお粗末の限りで、折角世界の政治舞台へデビューを飾ったにしては、能のないメッセージだった。

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シローヴィキ(силовики)とは、KGB(KГБ)などの公安機関の出身者をさしていうロシアの政治用語だ。プーチンはそのシローヴィキのボスとして、自分のまわりに忠実な人間を集めて、強大な権力を支えさせている。このたび、そうしたシローヴィキたちが、メドヴェージェフによって重要なポストに配置された。

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金正日の死亡が伝えられてからというもの、北朝鮮全土では、派手なパフォーマンスで泣き叫ぶ人々の姿が目立った。その様子は海外のメディアにも伝えられたから、世界中の何億と云う数の人々が見たに違いない。彼らは、北朝鮮の人々が何故こんなにも激しく泣いているのか、その理由を理解するのに難儀を感じたことだろう。

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12月24日には、モスクワのサハーロフ通りには、民主化を求めて立ち上がった人々約6万人が集まった。10日よりも更に数を増し、倍以上の規模を示したわけだ。

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ソヴィエトが崩壊して一時は西欧並みの民主主義と自由市場経済の定着が期待されたロシアだが、結局ロシアはロシアでしかないし、これからもロシアでしかありえないだろう、近頃は、そんな風に思わせられることばかりが続く。

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金正日の死に伴って北朝鮮の情勢が一気に流動化することが懸念されているが、いまのところ政権が不安定化したり、社会的な混乱が起きたりと云った事態は認められていない。金正日の葬儀も、計画的に実施されていきそうだ。こんなところから、キムジョンウンの権力基盤が意外と強固なものとなっているのではないかとの憶測もとびかっている。

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20世紀が暴力の世紀だったとすれば、ヒットラーとスターリンはその暴力を一身に体現した独裁者だった。彼らのやったことは桁外れだった。ヒットラーは特異な人種差別哲学に基づいて何百万人ものユダヤ人を殲滅したほか、ロシア人をはじめヒットラーが生きる価値のない野蛮人だと考えた人々を殺戮しつくした。これに対してスターリンは、自分の権力を維持するという目的から2000万人をこえる同国人を粛清と称して殺害した。この二人の個人的な野望を満たすために、膨大な数の人々が犠牲になったわけだ。

金正日死す

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北朝鮮の独裁者金正日が死んだことで、韓国、日本、アメリカに緊張が生じたほか、中国も国境警備を強化するなど、一定の反応を示している。金正日の死により生じる政治的空白が、朝鮮半島情勢に不測の事態をもたらすことを警戒してのことだ。

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米誌TIME恒例のThe Person of the Year 2011に指名されたのはプロテスター(Protester 抗議する人)だった。特定の個人でもなく、かといって集合概念としての抗議者でもなく、抗議する個人である。

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広東省東部陸豊の小さな漁村烏坎(Wukan)で地元住民が地方当局と激しく対立し、暴動に発展しているようだ。当局の厳しい検閲で詳細はなかなかわからないが、香港を中心に広がるミニブログの動きや外国人ジャーナリストの取材などを通じて少しづつわかってきた。

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昨年中国の反体制活動家劉暁波氏にノーベル平和賞が授与されたことに腹を立てた中国共産党が、腹いせに設けた孔子平和賞、第二回目の今年は中止と一時は報道されたが、どういうわけか復活した。その名誉ある受賞者は誰あろう、今やロシアの民衆から激しく批判されているプーチン首相だ。

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12月4日の下院選挙を巡って、モスクワやサンクト・ぺテルブルグで民衆のデモが巻き起こったことについて、プーチンはそれをアメリカがたきつけた結果だと、強い口調で非難した。そして、12月10日の土曜日に、ロシアの80都市で予定されているデモについても、それはヒラリー・クリントンにそそのかされた連中が企んでいることだと決めつけて、徹底した弾圧をほのめかしている。

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来年の大統領選挙の前哨戦とも位置付けられていたロシアの下院選挙は、プーチンにとっては苦い結果となった。かろうじて過半数は維持したものの、投票率も議席数も前回より大幅に減らした。それも、組織的で大規模な選挙違反が行われたにも拘わらずだ。

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アフリカ大陸の諸国が長い沈滞を脱却して力強い興隆の兆しを見せ始めている、アフリカ諸国の経済成長はいまや東アジアと並び、今後の世界経済のけん引力になろうとする勢いだ。まさに勃興といってよい。だが手放しでよろこんではいられない。経済成長の影では、政府関係者による汚職や腐敗が蔓延している。そんなアフリカの近年の様子を、ENOMISTの最新号が報告している。Africa rising After decades of slow growth, Africa has a real chance to follow in the footsteps of Asia

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米ジョージタウン大学の学生たちが中国の核弾道ミサイルの保有状況を調査した報告者が、ペンタゴンをはじめアメリカの政府機関や議会の熱い視線を集めている。363ページに上るこの報告書は、中国がアメリカの想像を超えて多くの核弾道ミサイルを保有し、アメリカの安全にとって大きな脅威になっていると警告している。

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ヒラリー・クリントン米国務長官が、アメリカの国務長官としては57年ぶりに、ビルマを公式訪問した。クリントン長官は早速テイン・セイン大統領と首脳会談を行ったが、今のところ経済制裁の緩和を含めて、具体的な約束を交わすなどまでには至っていない。ビルマが国際社会への復帰に向けて、どれほど真剣であるか、値踏みをしているようだ。

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いま、ユーロ危機のさなかに登場した二人のマリオに注目と期待が集まっている。イタリアの首相に就任したばかりのマリオ・モンティとヨーロッパ中央銀行(ECB)総裁マリオ・ドラギだ。二人合わせてスーパーマリオ・ブラザースと呼ばれている。期待の大きさがうかがえるというものだ。

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過日、中国浙江省で地方行政当局による土地収用に強い異議を唱えていた人物が、公然とトラックに轢かれて殺されるというショッキングな事件が起こった。多くの中国人たちはこの事件を、官憲がやくざたちにやらせたものだと、受け取っている。

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伊東孝之著「ポーランド現代史」を読んだ。ポーランドはヨーロッパ近・現代史の中でも、国家のアイデンティティを巡って最も劇的な展開を示した国だ。ポーランドの歴史は外国による支配との戦いの歴史であり、また絶えず領土が変動してきた歴史でもあった。

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アメリカ主導のNATOによるミサイル防衛システムにメドヴェージェフみずから強力な拒絶反応を示したにかかわらず、アメリカからは大した反応が返ってこない、というより殆ど無視されているのに近い状態だ。これはいったいどうしたことか、もしかしたらアメリカはロシア人を舐めているのではないか、こんな不満をプラウダが示している。

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