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ブレイク詩集「無垢の歌」 Songs of Innocence


「無垢の歌」 Songs of Innocence は、ウィリアム・ブレイク William Blake 1757-1827 の詩集である。Nursery Rhymes の伝統を踏まえ、わらべ歌の新しい境地を開こうとしたものだ。

ブレイクがこの詩集を出版したのは1789年、一篇づつの詩には、それぞれブレイクの描いた絵が添えられ、絵本の体裁をとっていた。これもやはり、Nursery Rhymes の形式を意識したものだろう。

ブレイクは版画作家として出発し、生涯におびただしい数の絵を残した。ブレイクの版画の特徴は、輪郭や大まかな彩色を銅版技術で印刷し、それに水彩絵の具で仕上げを加えるというものだった。だから残されている彼の絵本は、一冊ごとに色合いが違う。

ブレイクはまた、詩人としても大きな足跡を残した。彼の業績はイギリスロマンティシズムの魁をなすものである。

その作品の多くには宗教的な感情や深い瞑想が感じられる。だが「無垢の歌」に収められた詩の数々は、純粋に無垢な精神を感じさせるものである。



  • 始まりの歌 ↓

  • 羊飼い(ブレイク:無垢の歌)

  • 生まれた喜び(ブレイク:無垢の歌)

  • 他の人の苦しみ(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • スクール・ボーイ(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 聖なる木曜日(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 子守の歌(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 笑いの歌(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 黒人の少年(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 古の吟遊詩人の声(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • こだまする野辺(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 煙突掃除の子(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 神のイメージ(ブレイク:無垢の歌)

  • 不思議な夢(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 迷子になった女の子(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 見つかった女の子(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 迷子になった男の子(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 見つかった男の子(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 揺りかごの歌(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 春の歌(ブレイク詩集:無垢の歌)

  • 花びら〔ブレイク詩集:無垢の歌〕

  • 子羊〔ブレイク詩集:無垢の歌〕

  • 夜の歌〔ブレイク詩集:無垢の歌〕

  • 始まりの歌(拙約)

      笛を吹いて谷を下ろう
      陽気な歌を奏でよう
      雲の上の小さな子どもが
      僕のほうに微笑みかける

      “子羊の歌を吹いてみてよ”
      陽気な歌はいかがかな
      “ねえもう一度吹いてみてよ”
      涙がでるほど素敵かい

      “ねえその笛はもういいから
      君の声で歌ってみてよ“
      こんな具合でいかがかな
      涙が出るほど素敵かい

      “その歌を本に書いてみてよ
      ほかのみんなも読めるように“
      小さな子どもがいなくなると
      僕は葦の茎を引き抜き

      それで一本の葦ペンを作り
      きれいな水をインク代わりに
      楽しい歌を書き込んだ
      ほかのみんなも聞けるように


    Introduction : Songs of Innocence : William Blake

      Piping down the valleys wild,
      Piping songs of pleasant glee,
      On a cloud I saw a child,
      And he laughing said to me:

      'Pipe a song about a Lamb!'
      So I piped with merry cheer.
      'Piper, pipe that song again.'
      So I piped: he wept to hear.

      'Drop thy pipe, thy happy pipe;
      Sing thy songs of happy cheer!'
      So I sung the same again,
      While he wept with joy to hear.

      'Piper, sit thee down and write
      In a book, that all may read.'
      So he vanished from my sight;
      And I plucked a hollow reed,

      And I made a rural pen,
      And I stained the water clear,
      And I wrote my happy songs
      Every child may joy to hear.


    関連リンク: 英詩のリズム

  • ブレイク詩集:経験の歌 Songs of Experience





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