戦争 Guerre :ランボー「イリュミナション」

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ランボーの「イリュミナション」から「戦争 」Guerre (壺齋散人訳)

  少年時代、ある種の空が俺の視力を鍛えてくれた
  その空のあらゆる陰影が俺の表情にも反映し
  様々な現象が生起した。
  今では
  屈折した永遠の瞬間と無限定の定理とが
  俺を駆り立てて、この世界を通過させる
  ここでは俺は、礼儀を以て遇され、
  妙な子どもたちに尊敬され、大いなる愛を注がれるのだ。
  俺は戦争を夢見る
  権利と力との、思いがけぬロジックの戦いだ。

  音楽の一節のようにたわいない

前半部では少年時を回想し、後半部では今の自分の立場が反省され、そのコントラストの中から、戦争のイメージがわきあがってくる。その戦いとはロジックの戦いだとランボーはいうが、ランボーはそこに大した可能性をも感じてはいない。

「苦悩」同様難解な作品だ。


Guerre

  Enfant, certains ciels ont affiné mon optique:
  tous les caractères nuancèrent ma physionomie.
  Les Phénomènes s'émurent.
  -À present
  l'inflexion éternelle des moments et l'infini des mathématiques
  me chassent par ce monde où je subis tous les succès civils,
  respecté de l'enfance étrange et des affections énormes.
  -Je songe à une guerre, de droit ou de force, de logique bien imprévue.

  C'est aussi simple qu'une phrase musicale.


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