杜甫の七言律詩「兗州の城樓に登る」(壺齋散人注)
東郡趨庭日 東郡 庭に趨する日
南樓縱目初 南樓 目を縱にする初め
浮雲連海岱 浮雲 海岱に連なり
平野入青徐 平野 青徐に入る
孤嶂秦碑在 孤嶂 秦碑在り
荒城魯殿余 荒城 魯殿余す
從來多古意 從來 古意多し
臨眺獨躊躇 臨眺して獨り躊躇す
ここ山東の都兗州にあって父の教えを守っている今日この頃、南門から始めて目にする眺め、浮雲が海と泰山との間に連なり、平野は青洲、徐州に広がる
孤嶂には秦の始皇帝の建てさせた碑が残り、荒城には魯の宮殿の跡が偲ばれる、昔のことを思うとさまざまな思いにとらわれる、わたしはひとりそれを思いやりながら立ち去りかねているのだ
望岳と同じく29歳頃の作品とされる。杜甫の父杜閑はこの頃兗州の司馬となっていた。兗州は魯(山東)の地にある。杜甫の父は地方官を歴任した後、この地の司馬の職にたどり着いていたのだった。当時斉魯を放浪していた杜甫は、父親のいる兗州に立ち寄り、この詩を詠んだ。
声を出してゆっくり読むともっと感じが良く解かる気がします。しかし、読めない漢字が未だあって振り仮名をふって頂けると嬉しいのですが。 漢詩も此方では色々解説して下さるので、初めて楽しいと思うようになりました。 やはり、これも 「亀の甲より年の功」 でしょうか。 ^O^