初恋 Le Premier Amour:マルスリーヌ・ヴァルモール

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マルスリーヌ・ヴァルモールの詩「初恋」Le Premier Amour(壺齋散人訳)

  あなたは覚えているかしら あの
  やさしい瞳をした 物腰さやかな乙女のことを?
  まだ青春を迎えたばかりというのに
  あの子はあなたに夢中になったのよ

  誓いの言葉も むなしい約束もいらない
  あんなに若かったんだもの
  あの子はそれこそ夢中であなたを愛し
  恥じらいもなくあなたに身をまかせたのだわ

  でもあの子は愛するひとを失ってしまった
  あの子の恋は一日限りだったの
  それ以来あの子には春が来なくなった
  あの時の初恋があの子の最後の春になったの


この詩は第三者としての娘に自分を重ね合わせ、比喩的に自分の初恋を歌ったものだ。この歌を前提に考えると、マルスルリーヌの初恋は実らぬ恋に終わったようだ。


Le Premier Amour Par Marceline Desbordes Valmore

  Vous souvient-il de cette jeune amie,
  Au regard tendre, au maintien sage et doux ?
  À peine, hélas ! au printemps de sa vie,
  Son cœur sentit qu'il était fait pour vous.

  Point de serment, point de vaine promesse :
  Si jeune encore, on ne les connaît pas ;
  Son âme pure aimait avec ivresse,
  Et se livrait sans honte et sans combats.

  Elle a perdu son idole chérie ;
  Bonheur si doux a duré moins qu'un jour !
  Elle n'est plus au printemps de sa vie :
  Elle est encore à son premier amour.


関連サイト:フランス文学と詩の世界 マルスリーヌ・デボルド・ヴァルモール





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