ペチュニア:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
ペチュニアは日本人には人気のある花だ。花びらの一つ一つは小ぶりだが、色が鮮やかで、密集して咲く性質を持っているので、花壇に植えても、プランターや鉢に植えても、目に映えて美しい。しかも花季は非常に長く、手入れさえ怠らなければ、初夏から秋まで咲き続ける。
ペチュニアが日本人の心を和ませる理由のひとつは、姿がナスの花に似ていることもある。ナスの花は薄紫色の小さなラッパ状の花びらを次々と咲かせ続ける。花が咲き終わった後には、ナスの実がなり、食卓を飾ってくれる。ナスは日本人にとっては、大昔から切っても知れない間柄だったから、その花も当然のこととして人々に愛され続けてきた。
実はペチュニアは、このナスの仲間なのである。原産地は南米で、日本に入ってきたときにはツクバネアサガオと命名されたりもした。朝顔とは同じ種ではないが、花の形がどことなく似てもいる。
この朝顔に似た花を日本人は何故かことのほか気に入った。品種改良も進んだ。今日ペチュニアの品種改良では日本が世界の先端を走っているということだ。その結果、今日では矮性のものから茎立ち性のもの、また、ない色がないくらい、さまざまな色合いの花が出回っている。
筆者もこの花が好きで、毎年必ず苗を買っていては花壇やプランターで育てている。絵は筆者の家で育てているのを描いたものだ。白地の中に濃い紫の部分がポイントになって、何とも色気のある風情が感じられる。
花言葉は、「あなたといると、心が休まる」。決して豪華ではないが、見るものに安らぎをもたらすようなところがあるのだろう。
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