上の写真(AFP提供)は Poison Dart Frog (毒矢蛙)という非常に小さな蛙を写したもの。ニュールンベルグの動物園で、1ユーロ硬貨の上に乗っているところを撮影したものだが、硬貨の大きさと比較して、その小さいことが納得できるだろう。この蛙はまた、色彩が豊かなことでも知られている。
日本では見かけず、したがって日本語の名前もついてないから、毒矢蛙というのはあくまで、英語を直訳したものだ。ヤドクガエルと訳す場合もある。
原生地は中南米のジャングル地帯。170種類あまりが確認されているが、どれも皮膚に、多かれ少なかれ毒の成分を持っている。その中で最も強烈で致死的な効果を持つものが3種類ばかりある。現地民はこの毒を抽出して、強力な毒矢を作り上げた。Poison Dart Frog という名は、そこからつけられたものだ。
皮膚に毒があり、しかもにぎやかな色彩につつまれていることから、敵を寄せ付けない。多くの蛙は黄昏から夜にかけて活動するが、この蛙が日中に活動するのも、そうした天の配慮の賜物といえる。
見れば見るほど不敵な面魂をしている。成長してもわずか1セント半ばかりの大きさにしかならないのに、世界中を飲み込まんばかりの勢いだ。井戸の底で威張っているそこら辺の蛙とは、訳が違う、そんな雰囲気が伝わってくる。
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