まさかここまでやってくれるとは思わなかった。サッカー女子ワールドカップでの日本チーム「なでしこジャパン」の健闘ぶりである。準々決勝で優勝候補だった開催国ドイツを破り、準決勝ではスウェーデンを破った。その健闘振りを心からたたえたい。
なにしろ自分たちよりはるかに大きな相手と戦うには、スピードと連携が必要だ。なでしこジャパンは、それを理想的な形で展開し、見事な勝利を収めてきた。欧米の強豪チームはそんななでしこジャパンをスペインの強豪バルサの戦いぶりにたとえた。
対スウェーデン戦では、先制点こそ許したが、その後終始試合を支配し、前半19分では川澄が同点のゴール、後半では沢と川澄が立て続けにゴールした。沢はキャプテンの意地をかけて拾い球をヘディング・シュートし、川澄の2度目のゴールはロングシュートを的確に決めたものだった。
昨年の男子ワールドカップには興奮させられたものだが、今進行中の女子ワールドカップにも興奮させられる。ピッチを縦横に駆け回る彼女たちの姿はまるで槍を抱えて敵陣に切り込む巴御前のようだ。
なでしこという言葉は古い日本語だ。大和撫子という具合に、葦原乙女をさしていう場合に好んで使われた。もともと日本の女のなよなよしさを強調した意味の言葉だ。だがサッカー日本代表の女たちは、やさしさとともに猛々しさをも感じさせる。猛々しさだって、日本の女の一面をよく言い表した言葉だ。こんな女たちがいる限り、日本は永遠に安泰だ。(写真はガッツポーズする沢:ロイター)
よくやった、日本 World Cup 2010
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