今年一年を振り返る

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普段日記をつけている人は大体、大晦日の記事には、その年一年間の出来事を振り返らせるものだろう。それは世界や日本の出来事であったり、また自分自身にかかわる節目の出来事だったりするだろう。あの荷風散人も、毎年大晦日には決まって一年間を振り返り、それを自分なりに総括して、時には反省めいた言葉を添えていたものだ。

その例に従って、筆者も今年一年を振り返ってみよう。

今年最大の出来事はやはり、アメリカの金融危機に発した世界同時不況の進行だろう。いまのところ大恐慌に発展しているとまではいえないが、まかり間違えばその可能性は大いにある。現にお膝元のアメリカでは、自動車などの基幹産業が致命的なダメージを受け、そのあおりを受けて、百万単位での失業が発生している。日本もそれに巻き込まれた形で、輸出産業を中心に実体経済が大きなダメージを蒙り、非正規雇用を中心に職を失う人が続出している。

何故こうなったかについては、徐々に解明されていくだろう。筆者などはアメリカ発のレッセフェール流資本至上主義が世界を席巻し、そこに生じた野放図なマネーゲームが破綻した結果だと思っている。いずれにしても、今回の事態は資本主義経済が抱えている矛盾を先鋭な形で突きつけたといえる。資本のグローバライゼーションを見据えた新たな経済モデルが確立されないと、この不況は長期化する恐れがある。

日本国内のことで言えば、戦後長く続いてきた自民党流政治モデルがいよいよ断末魔を迎えた年だといえる。小泉政権が撒いた種が多くの国民の生活破壊という形で実を結び、人々の怒りは頂点に達しつつある。その怒りを受けて、阿部、福田と続いた自民党政権は、まともな統治能力を発揮できなかった。今の麻生政権にいたっては、存在しないも同然のありさまである。

筆者にとっても、今年は節目の年だった。というのも夏に定年を迎え、長年の勤め先を去ったからだ。だが60歳とは、今の時代には隠居していられる年齢ではない。そこで現在の職場に再就職することとした。体力と意欲が続く限りは、もうしばらくつとめ続けようと思っている。

今の職場は、365日活動している。年末年始も休むことはない。そんなわけで大晦日にあたる今日も筆者は出勤した。しかし明日以降の三が日は休める。配下の従業員が、筆者がいなくともまじめにやってくれるからだと思っている。

こんなところが、筆者にとっての今年一年の主な出来事だ。

今日は職場から家に帰ると、ひと風呂浴びて家族と食卓を囲み、先日手づから漬け込んだ松前漬を肴に晩酌をした。いまは自分の部屋でコタツに脚を突っ込みながら、NHK恒例の歌番組を見ている。

筆者は普段歌の番組など見ることがなく、とかく世の中の大衆文化の行方に疎遠になりがちだと反省している。実際カラオケに行っても、歌える歌は数十年前に流行った歌ばかりなのだ。そこで年に一度くらいはこんな番組を見て、いま何が流行っているのか、確認するのも無意味ではあるまいと思ったりする。

この番組が終るとともに、今年も終る。そのころには、毎年の如く付近の神社に赴いて、中山法華経寺の除夜の鐘を聞きながら、初詣をするつもりだ。





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このページは、が2008年12月31日 23:05に書いたブログ記事です。

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