横浜聖公館の隣に立つ二階建てのほっそりした建物は山手資料館という。明治時代に立てられたもので、横浜に現存する唯一の明治の木造洋館だそうだ。個人の邸宅として本牧に立てられたが、昭和52年に現在地に移築された。山手の洋館群のなかでも、小粒ながらユニークな建物だ。
筆者がこの洋館をスケッチするために訪れたのは2001年の冬だった。建物の中に入るためには入場料として200円を支払わなければならなかったが、筆者はスケッチが目的だったので、無料で立ち入れる庭園に踏み込んでデッサンのアングルを探った。
居心地がよさそうだったので、スケッチしながら時間を過ごすにはもってこいの場所に思えたのだ。だがそこからでは、逆行が眩しくて、長く見続けていることができない。
そこで庭園を出て、道路の反対側からなんとか絵になる角度を探した結果、このようなアングルを見つけ出した次第。
この絵はそのときのデッサンをもとに、最近描きなおしたもの。本来は手前のレンガの上に白い柵が立てられていて、その先には、やはり白いアーチに絡まるバラのツルが見えた。
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