独裁者の墓碑銘 Epitaph on a tyrant :W.H.オーデン

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W.H.オーデンの詩「独裁者の墓碑銘」Epitaph on a tyrant(壺齋散人訳)

  この男が求めたのはある種の完璧さ
  彼が作った詩は誰にもわかりやすかった
  人間の愚かさを知り尽くしていた彼は
  陸軍と海軍とに大きな関心を払っていた
  彼が笑うと取り巻きの連中は追従笑いをし
  彼がわめくと小さな子どもたちが野垂れ死にをした

オーデンが言及している独裁者が誰なのか、いろいろな見方がある。だがこの詩を書いた時期、西洋には、ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、フランコといった独裁者たちが輩出していた。彼らは意外なことに、それぞれの国で大成功を収める。なぜそうなるのか、オーデンは何度も問うてみたが、そう簡単には答えは見つからなかった。


Epitaph on a tyrant By W.H.Auden

   Perfection, of a kind, was what he was after
   And the poetry he invented was easy to understand;
  He knew human folly like the back of his hand,
  And was greatly interested in armies and fleets;
   When he laughed, respectable senators burst with laughter,
   And when he cried the little children died in the streets.


関連サイト:英詩と英文学






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