キタホオジロテナガザル(Northern White-cheeked Crested Gibbon)は、中国南部からベトナム・ラオスにかけての高山地帯に生息している。中国ではすでに絶滅、ベトナム・ラオスでも絶滅寸前とされていたが、このたびベトナム北部のプーマット国立公園周辺で、130集団、450体あまりの個体が確認された。
このサルは一夫一妻性で、一旦カップルが成立すると、生涯別れない。子どもを含む家族単位で行動し、縄張り意識が非常に高い。
この写真はそんな家族が木の上を歩きわたっているところを捉えたもの。左側の黒いのがオスで、黄色いのがメスだ。オスが出す声には二種類あって、ひとつはメスへの求愛のために出す声、もうひとつは家族のコミュニケーションのために出す声だ。
このサルが減少した大きな原因は、生息場所たる森林地帯が少なくなったことに求められるが、人間による捕獲も馬鹿にならない。食肉用として捉えられるほか、子どもをペットにするために、母親が殺害されることも多い。
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