アフリカの湖沼や湿地帯でアメリカザリガニ(Crayfish)が大繁殖し、小魚、魚卵、軟体動物、甲殻類、水生植物を食い荒らし、このままでは、ヴィクトリア、タンガニーカ、マラウィなどの湖において、既存の生態系が大きく崩れる恐れがでてきたと、ナショナル・ジオグラフィックの記事が警告している。Cajun Crayfish Invading Africa, Eating Native Species
アメリカザリガニはとにかく繁殖力が強い。雑食性であるから、野菜でも肉類でもプランクトンでも、何でも食うことがそれを支えている。日本でも20世紀初めにアメリカから持ち込まれて以降、急速に広がり、今では全国の水たまりを我が物顔に歩いている。
小生などは子供の頃に、これをマッカチンと称して、よく捕獲したものだ。糸の先にスルメをつけて彼らの鼻先に持っていくと、すぐに食いついてくるから、面白いようによくとれる。
食うこともできるが、野生のものはどんな病気を持っているかわからぬので敬遠される。だがまずいわけではない。アメリカ南部では御馳走として良く食われているとのことだ。小型のロブスターといった位置づけか。ただロブスターに比べれば、食える部分の割合は非常に小さい。
ザリガニは、既存の生態系に影響をもたらすだけではない。たとえば田んぼの壁に穴をあけて水漏れをもたらすなど、農業への打撃もばかにならない。そのため日本では有害動物扱いされている。
アフリカには1970年代に、食材として持ち込まれ、養殖されてきたが、その一部が逃げ出して、最近急速に繁殖範囲を広めたという。いまのところ、ヴィクトリア、タンガニーカ、マラウィといった湖には進出していないようだが、それも時間の問題だろう。
とにかく正確な分布状況を調査して、有効な対策を取るのが肝心だ、そう現地の関係者たちはいっているそうだ。(写真はナショナル・ジオグラフィックから)
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