ファーガスとともに Who Goes With Fergus?:イェイツの詩

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ウィリアム・B・イェイツの詩集「薔薇」から「ファーガスとともに」Who Goes With Fergus?(壺齋散人訳)

  誰か ファーガスとともに車に乗り
  深い森の中の陰を突きぬけ
  平らな浜辺で踊ろうとするものはいないか?
  青年よ そのひなびた額を持ち上げよ
  少女よ そのやさしいまぶたを見開け
  希望を胸に 何者をも恐れるな
  いじけたままひとりぽっちで
  つれない愛を思い惑うな
  ファーガスなら運命の車を乗りこなし
  森の陰を隅々まで知りつくし
  おぼろな海に安息を見出し
  すべての星々を従えることが出来る

ファーガスとはアイルランド伝説に出てくる王の名。自然の力を体現した偉大な王として描かれている。この王を持ち出すことによってイェイツは、人々に現世のつまらぬ争いや実らぬ恋などにこだららず、自然の懐で豊かに生きよと呼びかけている。


Who Goes With Fergus?

  WHO will go drive with Fergus now,
  And pierce the deep wood's woven shade,
  And dance upon the level shore?
  Young man, lift up your russet brow,
  And lift your tender eyelids, maid,
  And brood on hopes and fear no more.
  And no more turn aside and brood
  Upon love's bitter mystery;
  For Fergus rules the brazen cars,
  And rules the shadows of the wood,
  And the white breast of the dim sea
  And all dishevelled wandering stars.


関連サイト: イェイツ:詩の翻訳と解説





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