フランス人は世界で一番悲観的な国民、最近行われたBVAギャラップの世論調査で、こんな結果が出たそうだ。
フランス人といえば世界で一番セックス好きの国民だと思っていた筆者などは、この結果を聞いて意外に思った。セックスというのは、生きる喜びの中でも最も強烈なものだから、それが楽しめているということは、ある意味で世界一幸福といってもよい、それがなぜ世界一悲観的になるのか、不思議に思うのは理由のあることだ。
そこで調査結果を子細に見ると、まず、経済状況に対する不安を、フランス人は最も強く意識している。景気はいっそう悪くなり、失業は増え、生活水準は低くなる一方、それを象徴する動きとして、年金の支給開始年齢が先延ばしされることが決まった。こうした社会状況への悲観的見方が、フランスの場合には最も強い。
つまりフランス人は、現状より少しでも悪い未来を予測することで、悲観的な気持ちを強めているらしいのだ。
フランス人が、アフガニスタン人やイラク人より悲観的なのは、彼らの満足の期待値が高いことの反面でもあるといえる。現状がある程度恵まれていると、それ以上に幸福だと感じるようになるためには、非常に高いインセンティブが必要だ。一方、アフガニスタン人やイラク人にとっては、たとえば生命の安全が今より保証されるかもしれないという期待があるだけで、満足感は高まる。
こうしたわけで、フランス人が悲観的になるのは、一種の贅沢病だと指摘する向きもある。(写真はオペラ座前に集まった青年たち:AFP提供)
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