台風15号で首都圏交通マヒ

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今年は台風の当たり年だ。12号に続いて15号が日本列島を直撃、九州から東北にかけ死者・不明が17人に上るなど広い範囲で災害をもたらした。

首都圏が大型台風に見舞われたのは20年以上ぶりのことだそうだ。おかげでJRや私鉄など殆どの交通機関が完全にマヒした。その時間帯が夕方から夜にかけてだったので、膨大な数の人々が自宅に帰るのにえらく苦労させられ、3.11以来の帰宅難民が膨大な数にのぼった。

台風は午後2時頃浜松付近に上陸した。この時点での中心気圧が950ヘクトパスカル、最大風速45メートルというから、12号に劣らず猛烈な台風だったわけである。その後本州を縦断、午後5時過には山梨県上空に差し掛かり、首都圏は強烈な風雨に見舞われた。

交通手段は、午後4時頃から各線が次々にダウン。午後6時頃にはほとんどの線が運転中止に追い込まれた。企業の中には、この事態を見越して、台風が接近するかなり前から従業員を帰宅させたところもあったようだが、ほとんどの勤め人は交通マヒに巻き込まれ、帰宅難民化した。筆者もその一人だった。いつもは6時過ぎには帰宅しているのに、この日は11時を回ってしまった。

ところでJRや郊外の私鉄が風雨の影響で運転不能になるのは納得できるような気がするが、この日は地上を走らない地下鉄まで、運転中止の措置を取ったところが多かった。

筆者の場合、通勤には通常都営新宿線を使っているが、これが大風のため荒川をまたげないという理由で運転取りやめとなり、馬喰横山の駅で放り出された。新宿線は東大島から船堀の間地上に出て荒川をまたぐ。それが風にあおられて危険だという理由はわかる。

そこで同じ都営の浅草線に乗り換えようとした。この線は西馬込と押上の間一度も地上に出ることはないので、その間は動いているだろうと思ったのだ。ところが浅草線も運転停止で動かない。理由は相互乗り入れしている京成線や京急線が不通だからという。しかし、京成や京急が不通だからと云うのは、浅草線を止める理由にはならないだろう。浅草線自体は押上と西馬込の間を折り返し運転すればいいのだから。

結局これでは、台風による混乱に乗じて仕事をさぼったといわれても仕方ないところだろう。さぼったというより、目前の混乱に圧倒されて、正常な思考が機能しなかったということかもしれない。都営線も最近はアウトソーシングが進んでいるそうだから、非常時対応の能力が劣化している事情もあるのだろう。

ともあれ、3.11のときのJRの対応ぶりと云い、今回の地下鉄の混乱ぶりといい、首都圏の交通機関には危機管理のシステムができていないという感じを強くした。(写真は電車に乗れず、バス乗り場に殺到する帰宅難民たち:日刊スポーツより)





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このページは、が2011年9月23日 19:05に書いたブログ記事です。

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