ロンドン・オリンピックの開会式が、今朝(7月28日)の5時から実況中継されるというので、早起きして見た。日本との時差はサマータイムで8時間なので、ロンドン時間は前の夜(7月27日)の9時である。果してテレビ画面には、夜空を背景にした競技場の光景が映し出されていた。夜の9時から開会式が始まるだなんて、日本人には考えられないな、東京オリンピックの時は真昼だったはずだ、などと思いつつ画面に見入った。
セレモニーのアトラクションは、イギリスの国土と歴史を紹介する手堅い演出のものだった。まず、テームズ川沿いの田園風景が映し出され、ついでロンドンを舞台に産業革命のプロセスが描き出される。黒い煙を吐くいくつかの巨大な煙突を中核にして、メリーポピンズたちが登場して踊りまわる。ついで戦争や病院の様子が紹介され、また1960年代以降のポップソングが歌われる。その中にはビートルズの歌声も交じっている。
圧巻は、エリザベス女王が登場するシーンだった。ジェームズ・ボンドにエスコートされた女王が、バッキンガム宮殿からヘリコプターに乗り込み、競技場の上空から落下傘で飛び降りるというものだ。飛び降りたのは果して本物の女王なのだろうか、と一瞬疑ったが、無論本物のはずがない。しかしそう疑わせるところに演出の妙がある。このアトラクションの演出を担当したのは、映画監督のダニー・ボイルだ。
アトラクションが終わると各国の選手団が入場してきた。先頭は恒例に従ってギリシャ。日本の選手団は95番目に登場した。いつもの通り、赤のブレザーと白いスラックスといういでたちだ。先頭の旗手を務めるのは女子レスリングの吉田沙保里選手。彼女には金メダルの期待がかかっている。
ところでこの大会での日本の金メダル獲得目標は15個だそうだ。それが決して高すぎる数字ではないことは、アメリカのスポーツ新聞が日本の金メダル獲得数を14個と予想していることからもわかる。
吉田らのレスリングのほか、柔道、水泳、体操などで多くの活躍が期待される。サッカーは男女ともさいさきのよいスタートが切れた。その勢いで是非突破していってもらいたいものだ。
ロンドン・オリンピックは、これから17日間にわたって、26競技302種目が行われる。熱戦を繰り広げて、熱い夏を吹き飛ばしてほしいものだ。(写真はGuardian から)
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