ホッキョクグマを観察しているグループが今年、687キロという気の遠くなるような距離を、休みなく泳いだホッキョクグマのことをつきとめた。このホッキョクグマは母親で、観察の当初は子どもを連れていたが、泳ぎ終えた9日後には子供の姿はなく、母親自身も体重を22パーセントも減らせていた。
こんなにも長く泳ぐことは、別にホッキョクグマにとって楽しいことではない。彼女たちは必要に迫られてこんなにも長い距離を泳いでいるのだ。それも子供を連れて。
彼女たちはおそらく餌になるオットセイなどを求めて、北極の広大な海を泳ぎまわっているのだろう。通常、ホッキョクグマは氷の裂け目から海にもぐり込んでオットセイの狩りをする。ところが地球温暖化の影響で氷の割合が減少し、ホッキョクグマにとっての理想的な狩りの条件が失われつつある。
こんな事情にせまられるように、ホッキョクグマたちは広大な海をあてもなく泳ぎまわりながら、狩りができるポイントを探しているのだ。中には12日間、休みなく泳いだホッキョクグマもいたという。
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