先鋭化するイギリスの学生パワー:ロンドンの学生暴動

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授業料の値上げ問題をめぐって先鋭化していたイギリスの学生運動が、大学授業料の三倍アップが決まったことで、ついに爆発した。(上の写真:ロイター提供)

学生たちは国会議事堂前やトラファルガー広場に集結し、リージェント・ストリートなどを大勢でデモ行進した挙句、暴動の限りをつくした。その結果ロンドンの町は廃墟のごとき様相を呈し、ロンドン当局が夜を徹して清掃作業を行ったということだ。

とりわけショッキングだったのは、チャールズ皇太子夫妻が、暴力の標的になったことだった。夫妻がロールス・ロイスに乗ってロンドン市内を走っていたところ、学生たちが車の周りを取り囲んだ。当初は値上げ法案の撤回を陳情する様子を見せていたが、そのうち跳ね上がり分子の扇動に駆られたか形で、車のボディにペンキをかけるなどの狼藉を働くに至った。これにはさすがのカミラ夫人も驚いたことだろう。

普段紳士的でおとなしいイギリスの学生が、これまで過激になったことの背景には、アナーキストや極左勢力の暗躍があるとみられている。

最近のヨーロッパ社会は、どの国でも保守化の傾向を強め、左翼は活躍の場がないとみられていたが、久しぶりに学生たちが憤慨するような案件を前にして、ひとつ騒乱を引き起こしてやろうと、暗躍し始めたようなのである。


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