リビア情勢が先鋭化してきた。カダフィ大佐による自国民大虐殺を阻止するという名目で、国連がリビア政府に対する武力攻撃を容認したことを踏まえて、フランス、イギリス、アメリカ、イタリアなどが、戦闘機や巡航ミサイルによる攻撃を開始した。名付けて「オデッセイの夜明け作戦(Operation 'Odyssey Dawn')」という。
まづ、3月19日にフランスが戦闘機20機をつかって、空爆を開始した。標的は反政府軍の拠点ベンガジに迫りつつあった政府軍の部隊だ。この部隊がベンガジ市内に突入すると、事実上空爆が不可能になるので、それに先立って空爆を行い、政府軍側の能力を破壊しようとする動きだった。
続いてイギリス、アメリカが巡航ミサイル112発を発射、これはトリポリやミスラータの防空施設を破壊することで、リビア上空の制空権を握り、リビア空軍の能力をマヒさせるのがねらいであった。
国連側は、こうした攻撃によってカダフィ政権の戦闘意欲を粉砕し、政権による市民虐殺という事態を終わらせたいとしている。
国連側はまた、カダフィ側が停戦を提案するなら、いつでも応ずるというメッセージを出しているが、カダフィが応じる見込みは全くないだろうとみられている。
カダフィは、イラクのフセイン大統領のように、自分も弱気を見せたら最後、殺されてしまうと考えているようだ。
市民が犠牲になろうと、誰が、何人、死のうと知ったことではない、自分の命と財産を守るためには、権力を手放すわけにはいなかい。こうがカダフィの本音のようだ。
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