フランス人は何故ストロスカーンに同情的か

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セックス・スキャンダルでアメリカの司法当局に逮捕されたストラスカーンを、フランス人の多くが謀略にはめられたと思っている、こんな世論調査結果が出ている。

18日に発表されたある調査結果では、57パーセントの人がストラスカーンを「謀略の犠牲者だと思う」と答えた。社会党支持者に限ると、実に70パーセントもの人がそう答えた。

この背景には、ストロスカーンを裁判が始まる前からさらし者にし、まるでほんとうの犯人扱いするアメリカのやり方への反感があるようだ。

フランスでは、被疑者には推定無罪が適用され、判決が確定するまでは人格が尊重される。アメリカのように、手錠をはめられた姿が、公衆の面前にさらされるということはありえない。その上で、予審判事による審問が行われ、嫌疑が十分かどうかが判断される。日米で検察当局が独占している取調べの過程の一部が、司法権によって担われている形だ。

これに対してアメリカでは、検察官が容疑者を調べて起訴する。検察官は容疑者を頭から犯罪者と思っている場合が多いから、その取り扱いも勢い乱暴になる。それがフランス人の目には野蛮に映るということらしい。

アメリカの裁判は、陪審員の役割が大きいから、裁判が始まる前から容疑者に不利なシーンが繰り返し報道されたりすると、それが陪審員の判断に大きく影響することは十分に考えられる。その結果、容疑者は裁判が始まる前に、有罪が決定的になる場合もある。

これでは、ストロスカーンがかりに無実であっても、それを裁判の場で証明するのは、並大抵のことではない。フランス人はそこに、アメリカの司法制度の持つ非合理な面を感じ取って、ストロスカーンに同情しているということらしい。(写真はAFP提供)


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