贈東林總長老:蘇軾を読む

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元豊7年(1084)蘇軾は黄州から徐州に移る途中廬山を訪ねた。僧侶の参寥が同行した。廬山に着くと大勢の土地の僧侶が集まってきて、蘇軾との交友を求めた。その頃すでに蘇軾の名は天下に知れ渡っていたのである。

蘇軾は廬山で三つの詩を作った。贈東林總長老はその一つで、東林寺の総長常総に贈ったものである。


蘇軾の七言絶句「贈東林總長老」(壺齋散人注)

  溪聲便是廣長舌  溪聲は便ち是れ廣長舌
  山色豈非清淨身  山色は豈に清淨身に非ずや
  夜來八萬四千偈  夜來八萬四千偈
  他日如何舉似人  他日如何ぞ人に舉似せん

谷川の音は仏様の声、緑の山は仏さまの御体、夜来唱えた八萬四千の偈、その境地は人には語り得ない


偈という言葉からも明らかなとおり、蘇軾はこの詩の中で禅の境地を歌ったのだ。


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