アメリカ大リーグ史上最も偉大なピッチャーの一人で、速球王の名をほしいままにしたボブ・フェラー Bob Feller (上の写真:AP提供)が死んだ。享年92だった。
ボブ・フェラーは1936年に17歳でデビューして以降、1940年代から50年代にかけクリーヴランド・インディアンズのエースとして活躍。当時はヤンキースの黄金時代だったが、持ち前の速球で、その強力打線を抑えた。1948年と1954年にはインディアンズをリーグ優勝に導き、1948年にはワールド・チャンピオンにもなった。
日本でも、巨人の黄金時代に、阪神の村山投手が立ちはだかったが、それと同じような光景を、一時代前の大リーグで演じたわけだ。
生涯の勝数264はすべてインディアンズのために稼ぎ出したもの、フリーエージェントが定着した今日では、二度と達成されないだろうといわれる数字だ。
フェラーは、4シーズンにわたって第二次大戦に従軍した。20代後半のもっとも充実した時期だった。もしその期間も大リーグで投げていたら、300勝を軽くこえていただろうといわれる。
フェラーは、日本による真珠湾攻撃に憤慨して、その翌日に海軍に志願し、大リーグ選手として第一号の志願兵となった。彼の愛国心なり正義感が伺われるエピソードだ。
こんなことから、ボブ・フェラーはインディアンズ・ファンだけでなく、アメリカのすべての野球ファンから敬愛されている。
晩年は白血病との闘いに明け暮れたという。人間は何時までも生きているわけにはいかないといいつつ、それでも命ある限りは野球を楽しみ、できればインディアンズがワールド・チャンピオンになるのを見届けたいといっていたそうだ。
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