蘇軾の七言絶句「春夜」(壺齋散人注)
春宵一刻値千金 春宵 一刻 値千金
花有淸香月有陰 花に淸香有り月に陰有り
歌管樓臺聲細細 歌管 樓臺 聲細細
鞦韆院落夜沈沈 鞦韆 院落 夜沈沈
春の宵は一刻が千金に価するほどすばらしい、花は芳しく香り月の光がさやかだ、先ほどまでの歌舞管弦もいまはひっそりと静まり、中庭ではブランコがゆったりと揺れ、夜が更け渉って行く
杭州の副知事としての蘇軾には、裁判をつかさどるほかは大した仕事がなかった。それ故蘇軾は有り余るほどの時間を、自分の快楽のために充てることができた。
そんな杭州時代の蘇軾にとって最大の気晴らしは、芸妓と遊び、僧侶と蒟蒻問答を楽しむことであった。
春夜は蘇軾の詩の中でも最も有名な作品だが、それは芸妓たちとの遊びをテーマにしたものだとの解釈が有力である。
蘇軾は芸妓たちと宴会のバカ騒ぎを催した際には、必ず詩を作って芸妓たちに与え、時には詞を作って歌わせたという。
関連記事:漢詩と中国文化
コメントする